【NAVAJO】ナバホ族の職人組合組織【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)ナバホギルドのホールマークが刻印されたローワークビンテージバングルです。
ナバホギルド【NAVAJO GUILD】の作品の多くは1940年代~50年代に作られたものですが、1970年代以降もその名前を【Navajo Arts & Crafts Enterprise】と変更し、現在でもインディアンアートの販売を行っています。
こちらもNavajo Arts & Crafts Enterpriseで販売された作品と思われ、作者のホールマークはありませんが、ナバホギルドの【Horned Moon】と呼ばれるホールマークが刻印されています。これは、現在販売されている作品でほとんど見られないホールマークで、非常に珍しいものです。『925』の刻印が見られますので、おそらく1980年代~現在に作られた作品と思われますが、作者は不明で【Horned Moon/Horned Sun】の刻印が施された珍しい個体です。
デザイン・造形はナバホのトラディッショナルスタイルの作品です。美しいエッジワークが施された2本のシルバーとツイステッドワイヤーのベースに7つのターコイズがセットされ、それぞれの間には12個ものシルバーボールが配されています。 サイドにはダイヤ型のコンチョがパッチワークされ、とても迫力のある造形に仕上がっています。
ターコイズはおそらくチャイニーズターコイズと思われ、大変高さのあるドーム型のカボションカットターコイズです。複雑な黒~ブラウンのマトリックスが入り発色も良い存在感のあるターコイズです。
【The Navajo Arts & Crafts Guild】(NACG)※以下ナバホギルドは【The United Indian Trader’s Association】(UITA)等と共にインディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために現地トレーディングポストや作家たちの手によって組織されました。
中でもナバホギルドは、UITA等に比べナバホの職人主導で組織された団体で、大巨匠であるナバホのシルバースミス【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)が代表を務め、後進の育成や伝統的な技術の伝承、インディアンジュエリーのさらなる普及などを目的に1941年にギルドとして発足しました。
ナバホギルドによる作品のスタイルは特徴的で、Ambrose Roanhorseの意図が強く働いた影響のためか、インゴットから作られたベースに、クリーンで構築的なスタンプワークをメインとしたデザインと、昔ながらのキャストワークによるピースが多く、どちらも回顧主義的なオールドスタイルでありながら、洗練された美しい作品が多く制作されました。
さらに特筆すべきは、【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイ、【Mark Chee】マーク・チー、【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン等、多くの有名作家が揃っていながら【NAVAJO GUILD】のジュエリーとして制作されるものは、個人の署名(ホールマーク)が認められていませんでした。
こちらの作品は1960年代までの古いナバホギルドのピースではありませんが、現在も【Navajo Arts & Crafts Enterprise】は伝統的なナバホジュエリーの品質を保証し、【Orville Tsinnie】オーヴィル・ツィニーや【Howard Begay】ハワード・ビゲイ等の高い技術を持ったベテランアーティストの作品だけを扱っているようです。
着用画像はこちら↓
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コンディションは少し石に動きがありますが、外れるようなことはありません。また、多少のクスミ等は見られますが使用感の少ない良好なコンディションです。