【Hopi】ホピの巨匠【Lawrence Saufkie】ローレンス・スフキー(1934-2011)の作品で、卓越したオーバーレイ技術によって作り上げられた独特のセンスを感じさせるビンテージ/オールドバングルです。
ホピジュエリーの代表的な技術であるオーバーレイ技法によって構成されており、現代のオーバーレイ作品に比べ、カッティングされたとても厚いシルバープレートが少し薄いシルバープレートをベースにオーバーレイされています。
その為、控えめなボリューム感のバングルながら30g近い重量を持ち、心地よい重厚感を誇る作品となっています。
1970年代後半~1990年代初頭頃に制作されたと思われる作品で、内側には作者のホールマークが刻印が刻まれています。
シンプルで独特な雰囲気を帯びたデザインは、自然の営みをモチーフとしたものと思われ、大胆かつ潔く図案化された伝統的な文様は、独特な迫力と神秘的な美しさを生み出しているようです。
美しい曲線と構築的な直線によって絶妙なバランスの文様が生み出され、簡素なものに神聖な価値観が宿っているように感じさせる奥行きと魅力を備えています。
さらに、全体にハンマーワークによって僅かながらドーム状のアール/曲面が与えられています。そのさり気なくも効果的な曲面によって独特な上質感が与えられ、作者の技術力が感じられるディテールとなっています。
これは、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。
また、オーバーレイ技法で形作られたホピジュエリーにおいて、作者によるシルバーワークの差異を大きく感じることは少ないですが、本作におけるシルバーのカッティングやデザイン/造形の美しさは、アリゾナ州栄誉賞を受賞するまでに至ったローレンス・スフキーという作者の卓越した技術力とクオリティが感じられます。
【Lawrence Saufkie】ローレンス・スフキーは、1934年(か35年)に父親である【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)が当時働いていたアリゾナ州のグランドキャニオンで生まれました。
そして、13歳ごろにはフレッド・ハービーカンパニーで働く父親よりシルバーワークを教わり始めます。その後すぐに自らのオリジナルジュエリー作品を生み出すことになり、若くしてその才能を開花させています。
1953年には【Griselda Saufkie】グリセルダー・スフキー氏と結婚し、夫婦で協力してシルバージュエリーの制作に専念していくことになります。
そして、Hopi Silvercraft Cooperative Guild 通称「ホピギルド」と仕事を始めたころから、自らのクラン(ホピ特有の氏族)である『ベアー』のホールマークを使い始めます。
長いキャリアの中で非常に多くのアートショーにおけるアワード受賞リボンを獲得し、1998年にはアリゾナ州栄誉賞も受賞。しかしながら2011年6月、交通事故により亡くなられています。
【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの大家であり本作の作者Lawrence Saufkieの父親でもある【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)によって生み出された技術ですが、その黎明期にはホピ以外のナバホ・プエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として色々な作品が作られていました。
1940年代~1950年代にかけて本作と同じ工房で彫金を指導した【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァ(1922-1969?)や、同い年の作家【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)、そして【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クーチュワイテワ(1922-2011)等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。
オーバーレイ技術の定着以前にも、オーバーレイと近い造形を生み出すような大きく大胆で細かな刻みを持たないスタンプ(鏨)がホピの作家によって制作されていました。
しかし、スタンプ(刻印)というデザインやサイズが固定されてしまう技術から解放し、もっと自由な図案を具現化できる技術・技法として生み出されたのではないかと考えられます。
また、現在ではホピの伝統的な技術として認知されているオーバーレイ技法ですが、1960年代以前の黎明期においては、ホピ以外のナバホ・プエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として多様な作品が作られていました。
Lawrence Saufkieは、代表作であるベアー(熊)モチーフをはじめ、具体的な動植物等をモチーフにした作品が多く見られますが、こちらはホピらしく抽象的に図案化されたオーバーレイが現代的で洗練された印象を生み出しています。
また、ホピの人々は基本的に農耕民族であり、どこか優し気で日本人にも共通する自然モチーフが図案化された意匠は、素朴でナチュラルですがグラフィカルでエッジ―な印象もあり、程よいサイズ感も含めより多くのスタイルに馴染みやすく季節やシーンを問わず色々なコーディネートに馴染みやすいバングルとなっています。
オーセンティックなホピのデザインはネイティブアメリカンジュエリーらしい素朴な味わいを漂わせながら、ローレンス・スフキーならではの上質感も兼ね備えています。
また、大きめのサイズという部分も比較的珍しく希少な個体となり、コレクタブルでトレジャーハントプライスな作品の一つとなっています。
◆着用サンプル画像はこちら◆
コンディションは多少のクスミやキズは見られますが、目立ったダメージやリペアの跡などはなく良好な状態を保っています。