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Attr.to【Ganscraft】卍 & Snakes Domed Band Cuff c.1930

Attr.to【Ganscraft】卍 & Snakes Domed Band Cuff c.1930
117,700 円(税込)
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着用サンプル画像
https://www.instagram.com/p/DPteeTAAeI9/
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された事が判断可能な作品。ドーム型に成形されたバンド(地金)に独創性を感じさせ【卍】Whirling Logやガラガラ蛇等のスタンプワークも印象的なアンティーク/ビンテージバングルです。

20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作された【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれるスーベニアアイテム(土産物)の一つ。しかしながら全ての工程がハンドメイドによって仕上げられており、残されている資料や過去に取り扱ったホールマーク(作者やショップのサイン)のある作品、そして独特なバンドの造形と使用されているスタンプ(鏨)ツールによって、間違いなく【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】ユリウス・ガンズサウスウエスタンアーツアンドクラフツ(以下ガンズクラフト社)で作られたものであることが判る作品です。


1930年代頃に作られた作品で、おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたバンドは、『リポウズ』や『バンプアウト』等と呼ばれるシルバーを叩き出す技術によって全体に丸く曲面がつけられており、圧倒的な技術のハンマーワークにより美しいアールと立体感が生み出されています。

このようなドーム状のアールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作っています。
現代でもこちらのようなドーム型のシェイプは見られますが、こちらはハンマーで叩きだすことで成形しているため、センター部分は強く、ターミナル(両端)はほぼフラットになるように、その膨らみに変化がつけられており、ハンドメイド独特で作者の拘りを感じるディテールとなっています。

またこのような造形スタイルは、大変な手間と技術を要するディテールですが、バングルとしての奥行きと、手首への心地よいフィット感を生み出しています。


そして、中央の卍をメインとしながら、左右対称に力強いスタンプワークが刻まれており、卍の左右に配されたラトルスネーク/ガラガラ蛇等、大変人気が高くデザインの秀逸なスタンプワークも魅力的なブレスレットに仕上がられています。



本作のようなドーム型/アーチ状のシルバーバンドは、古いナバホジュエリーではとても珍しい造形スタイルであり、ホピの【Ralph Tawangyawma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)や、同じくホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)等、ホピの歴史的に偉大な作家に見られるディテールとなっています。

ツーリスト向けの作品では、ガンズクラフト以外の工房では制作されていない造形スタイルと推測されます。



【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】(以下ガンズクラフト)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業し、その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。
1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。

当時、雇われていたアーティストは現在では非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多い事も特徴と言えます。
それは、【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、非常に優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。
そのため、当時から同工房で生まれた作品は、大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。

しかし、その歴史は平坦でなかったようです。
ガンズクラフトでは、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれるBELLやMaisel's等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。
そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。

そこで、復権のために導入されたのが『S』の刻印が示す【Slug Silver】の採用です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。

現在、【Fred Harvey Style】は明確な定義がなく、Fred Harvey Companyもレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。
そのため、こちらのガンズクラフトやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニアビジネス」・「ツーリストジュエリー」と言う意味では量産化した工房のBELLやMaisel'sと同様です。

ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやBELL、Maisel's、Silver Arrowの分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドによりすべて手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの作品群(マスプロ)とは一線を画しています。

また、もう一つのガンズクラフトの特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。
そのため、同工房が供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。

さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。
現在では日本の老舗アパレルである東洋エンタープライズ社が実名復刻をされておられます。



【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。
また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い百円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。

同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。
また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています)
主にイギリスの影響を受けた国において『STERLING』、それ以外の国において『925』の表記・刻印が使用されています。

925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバー製のコインを溶かすことで、材料(地金)を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。

インディアンジュエリーの歴史では、1900年代初頭にH.H.タンメン社が『800-Fine Silver』(シルバー含有率80.0%)を採用し、1910年代~1940年代初頭までに作られたツーリストジュエリーにおいては、Coin Silver 900が多く採用されました。

シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。

さらに古い1800年代後半頃の作品では、メキシカンコインが多く含まれていたためか、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっているようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



【卍】鉤十字 (Swastika/スワスティカ)とは・・・
ネイティブアメリカンにおける卍モチーフは【Whirling Log】ワーリングログや【Nohokos】ノホコスと呼ばれ『LOVE・LIFE・LUCK・LIGHT』4つの単語における頭文字【L】を組み合わせる事で生み出された幸福を象徴するラッキーシンボルとして長い歴史を持っています。

また世界的にも、サンスクリット語の『幸運』を意味する言葉に由来し、仏教、ヒンドゥー教、オーディン教、さらにキリスト教における十字の一種としても用いられ、神聖なシンボルとして古くから世界中で見られる記号・象徴の一つとなっています。
日本においても家紋や寺社を表す地図記号として現在でも使用され、身近な図案や記号として用いられています。

しかしながら1933年のナチスドイツが出現し、1939年にはアメリカも第二次世界大戦に参戦すると、敵国ドイツ(ナチス)のシンボルであるハーケンクロイツと非常に類似した記号は不吉だとして使われなくなってしまいました。
1941年の新聞記事にも残っていますが、ネイティブアメリカンたちにも卍が入った作品の廃棄が求められ、政府機関による回収も行われました。

その後、大戦中にも多くの卍を用いた作品が廃棄されてしまった歴史があり、現存しているものは大変貴重となりました。
本作はそのような歴史的な受難を乗り越えて現在まで受け継がれてきたピースであり、史料価値を感じる事の出来るビンテージジュエリーとなっています。

また、ネイティブアメリカンの工芸品においては、ジュエリーだけでなくラグやバスケット、ポッテリー等でも重用されていたモチーフですが、卍と逆卍の使い分けは意識されていなかったようで、比較的逆卍が多いようにも感じられますが、卍・逆卍共に区別なく用いられていたと思われます。



【Rattlesnake】ガラガラ蛇/ラトルスネークは、ネイティブアメリカンにとって神聖な存在として、特にプエブロインディアンの間で古くからジュエリーやポッテリー等、色々な作品に用いられました。
当店のロゴにも登場するモチーフであり、脱皮して成長していく姿から、<再生><革新><挑戦><知恵> 等を象徴するシンボルとされています。

ジュエリーにおいてはナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やアコマの伝説的な作家【Clyde Hunt/Chief Sunny Skies】クライド・ハント(1900-1972)等が素晴らしいスネークモチーフの作品を残しており、それらのデザイン・スタイルが後世に受け継がれています。

前述の通り、ナバホのシルバースミスやツーリスト向けの作品においても散見されるモチーフですが、アメリカ中西部において神聖な存在として古くから大切なモチーフとしてきたのは、ナバホ以外の部族(プエブロ)です。



本作もおそらくスラッグシルバー(小さなコインシルバーの銀塊)から成形された作品であり、卍やスネークモチーフによるツーリストジュエリーらしいキャッチーな印象と、高度なハンマーワークによる立体的な造形により、ビンテージインディアンジュエリー独特の武骨で上質な造形美も感じられるピースです。


比較的細く仕上げられていますが、ドーム型のため程よいボリューム感を持っており、とても魅力的な存在感を見せるピース。また、シンプルでクリーンな表情に仕上げられている為、性別やスタイルを問わず馴染みやすくなっています。

他の作品との重ね付けにも向いており、独特のシェイプながら完成度が高く、普遍的な美しいシェイプは長年にわたってご愛用いただけるバングルです。


ガンズクラフト社製という希少価値と共に、同社が育てたシルバースミスの独創性、センスの良いデザインも高く評価でき、非常にコレクタブルな作品となっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも大変良好です。
経年によるシルバーのクスミや、ハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、特にダメージの無い良好な状態を保っています。
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された事が判断可能な作品。ドーム型に成形されたバンド(地金)に独創性を感じさせ【卍】Whirling Logやガラガラ蛇等のスタンプワークも印象的なアンティーク/ビンテージバングルです。

20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作された【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれるスーベニアアイテム(土産物)の一つ。しかしながら全ての工程がハンドメイドによって仕上げられており、残されている資料や過去に取り扱ったホールマーク(作者やショップのサイン)のある作品、そして独特なバンドの造形と使用されているスタンプ(鏨)ツールによって、間違いなく【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】ユリウス・ガンズサウスウエスタンアーツアンドクラフツ(以下ガンズクラフト社)で作られたものであることが判る作品です。


1930年代頃に作られた作品で、おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたバンドは、『リポウズ』や『バンプアウト』等と呼ばれるシルバーを叩き出す技術によって全体に丸く曲面がつけられており、圧倒的な技術のハンマーワークにより美しいアールと立体感が生み出されています。

このようなドーム状のアールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作っています。
現代でもこちらのようなドーム型のシェイプは見られますが、こちらはハンマーで叩きだすことで成形しているため、センター部分は強く、ターミナル(両端)はほぼフラットになるように、その膨らみに変化がつけられており、ハンドメイド独特で作者の拘りを感じるディテールとなっています。

またこのような造形スタイルは、大変な手間と技術を要するディテールですが、バングルとしての奥行きと、手首への心地よいフィット感を生み出しています。


そして、中央の卍をメインとしながら、左右対称に力強いスタンプワークが刻まれており、卍の左右に配されたラトルスネーク/ガラガラ蛇等、大変人気が高くデザインの秀逸なスタンプワークも魅力的なブレスレットに仕上がられています。



本作のようなドーム型/アーチ状のシルバーバンドは、古いナバホジュエリーではとても珍しい造形スタイルであり、ホピの【Ralph Tawangyawma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)や、同じくホピの【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)等、ホピの歴史的に偉大な作家に見られるディテールとなっています。

ツーリスト向けの作品では、ガンズクラフト以外の工房では制作されていない造形スタイルと推測されます。



【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】(以下ガンズクラフト)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業し、その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。
1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。

当時、雇われていたアーティストは現在では非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多い事も特徴と言えます。
それは、【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、非常に優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。
そのため、当時から同工房で生まれた作品は、大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。

しかし、その歴史は平坦でなかったようです。
ガンズクラフトでは、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれるBELLやMaisel's等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。
そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。

そこで、復権のために導入されたのが『S』の刻印が示す【Slug Silver】の採用です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。

現在、【Fred Harvey Style】は明確な定義がなく、Fred Harvey Companyもレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。
そのため、こちらのガンズクラフトやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニアビジネス」・「ツーリストジュエリー」と言う意味では量産化した工房のBELLやMaisel'sと同様です。

ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやBELL、Maisel's、Silver Arrowの分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドによりすべて手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの作品群(マスプロ)とは一線を画しています。

また、もう一つのガンズクラフトの特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。
そのため、同工房が供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。

さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。
現在では日本の老舗アパレルである東洋エンタープライズ社が実名復刻をされておられます。



【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。
また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い百円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。

同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。
また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています)
主にイギリスの影響を受けた国において『STERLING』、それ以外の国において『925』の表記・刻印が使用されています。

925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバー製のコインを溶かすことで、材料(地金)を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。

インディアンジュエリーの歴史では、1900年代初頭にH.H.タンメン社が『800-Fine Silver』(シルバー含有率80.0%)を採用し、1910年代~1940年代初頭までに作られたツーリストジュエリーにおいては、Coin Silver 900が多く採用されました。

シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。

さらに古い1800年代後半頃の作品では、メキシカンコインが多く含まれていたためか、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっているようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。



【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。

現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。
最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。

また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。



【卍】鉤十字 (Swastika/スワスティカ)とは・・・
ネイティブアメリカンにおける卍モチーフは【Whirling Log】ワーリングログや【Nohokos】ノホコスと呼ばれ『LOVE・LIFE・LUCK・LIGHT』4つの単語における頭文字【L】を組み合わせる事で生み出された幸福を象徴するラッキーシンボルとして長い歴史を持っています。

また世界的にも、サンスクリット語の『幸運』を意味する言葉に由来し、仏教、ヒンドゥー教、オーディン教、さらにキリスト教における十字の一種としても用いられ、神聖なシンボルとして古くから世界中で見られる記号・象徴の一つとなっています。
日本においても家紋や寺社を表す地図記号として現在でも使用され、身近な図案や記号として用いられています。

しかしながら1933年のナチスドイツが出現し、1939年にはアメリカも第二次世界大戦に参戦すると、敵国ドイツ(ナチス)のシンボルであるハーケンクロイツと非常に類似した記号は不吉だとして使われなくなってしまいました。
1941年の新聞記事にも残っていますが、ネイティブアメリカンたちにも卍が入った作品の廃棄が求められ、政府機関による回収も行われました。

その後、大戦中にも多くの卍を用いた作品が廃棄されてしまった歴史があり、現存しているものは大変貴重となりました。
本作はそのような歴史的な受難を乗り越えて現在まで受け継がれてきたピースであり、史料価値を感じる事の出来るビンテージジュエリーとなっています。

また、ネイティブアメリカンの工芸品においては、ジュエリーだけでなくラグやバスケット、ポッテリー等でも重用されていたモチーフですが、卍と逆卍の使い分けは意識されていなかったようで、比較的逆卍が多いようにも感じられますが、卍・逆卍共に区別なく用いられていたと思われます。



【Rattlesnake】ガラガラ蛇/ラトルスネークは、ネイティブアメリカンにとって神聖な存在として、特にプエブロインディアンの間で古くからジュエリーやポッテリー等、色々な作品に用いられました。
当店のロゴにも登場するモチーフであり、脱皮して成長していく姿から、<再生><革新><挑戦><知恵> 等を象徴するシンボルとされています。

ジュエリーにおいてはナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やアコマの伝説的な作家【Clyde Hunt/Chief Sunny Skies】クライド・ハント(1900-1972)等が素晴らしいスネークモチーフの作品を残しており、それらのデザイン・スタイルが後世に受け継がれています。

前述の通り、ナバホのシルバースミスやツーリスト向けの作品においても散見されるモチーフですが、アメリカ中西部において神聖な存在として古くから大切なモチーフとしてきたのは、ナバホ以外の部族(プエブロ)です。



本作もおそらくスラッグシルバー(小さなコインシルバーの銀塊)から成形された作品であり、卍やスネークモチーフによるツーリストジュエリーらしいキャッチーな印象と、高度なハンマーワークによる立体的な造形により、ビンテージインディアンジュエリー独特の武骨で上質な造形美も感じられるピースです。


比較的細く仕上げられていますが、ドーム型のため程よいボリューム感を持っており、とても魅力的な存在感を見せるピース。また、シンプルでクリーンな表情に仕上げられている為、性別やスタイルを問わず馴染みやすくなっています。

他の作品との重ね付けにも向いており、独特のシェイプながら完成度が高く、普遍的な美しいシェイプは長年にわたってご愛用いただけるバングルです。


ガンズクラフト社製という希少価値と共に、同社が育てたシルバースミスの独創性、センスの良いデザインも高く評価でき、非常にコレクタブルな作品となっています。

◆着用サンプル画像はこちら◆



コンディションも大変良好です。
経年によるシルバーのクスミや、ハンドメイド特有の制作上のムラが見られますが、特にダメージの無い良好な状態を保っています。
Size

メンズサイズ M - L 程度
レディースサイズ XL - XXL 程度

内径最大幅 約61.2㎜    正面幅(高さ) 約9.4㎜
内周 約142㎜    開口部 約29.5㎜
Inside Measurement 5 5/8inch   opening 1 3/16inch 

※バングルはサイズ調整可能です。
本作は、M~XLサイズ以下の男性、Lサイズ以上の女性であれば多くの方にフィットすると思われます。
ただし、サイズ調整の際は無理な力を加えますと破損の原因となることがありますのでご注意ください。

サイズ(手首寸法)をお伝えいただければ、当店でお渡し前の調整が可能です。お気軽にお申し付けくださいませ。

Material

Silver(probably Ingot Coin Silver 900)    約13.9g