【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、ワイドウェブ(ボルダー)の【Bisbee Turquoise】ビズビーターコイズと3つの鮮やかな色彩が美しいレッドコーラル(赤珊瑚)のコントラストが非常に美しいビンテージ/オールドリングです。
その正確なモチーフは不明ですが、キャッツポウ(猫の手)等動物の肉球をモチーフにした様なデザインがポップで、独自性と愛らしい印象を持った作品となっています。
ホールマーク(作者や工房等のサイン)やスタンプワークが施されていない為、正確に制作年代や背景を特定する事が困難ですが、シルバーワーク等のディテールやマテリアル等からは、1960年代末頃~1980年代頃に制作された作品と思われます。
シャンクはハーフラウンドワイヤーをベースとしながら、『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形となっており、フロントに向け2本に割り開かれることで、フェイスとの接地面積を大きくし、強度と造形的い指に馴染みやすいディテールを形作っています。
フェイスは、前述の通りターコイズとコーラルによって動物の肉球の様なデザインが生み出されています。
また、それらの石を留めるベゼル(覆輪)には厚いシルバーが使用され、ターコイズのベゼルの外側には2本のワイヤーを撚り合わせたツイステッドワイヤーが施され、石と石の間には立体的なシルバーボースが配されることで、ナバホジュエリーらしい表情が与えられています。
さらに、フェイス部分の土台となっているシルバープレートは、その動きのあるデザインに合わせた繊細なカッティングが施され、それぞれの石のシェイプやシルバーボールが生み出すシェイプが際立った造形となっています。
美しい色彩のコントラストと独特な構成により、素朴ながら楽し気で華やかな印象のフェイスが形作られています。
セットされたターコイズは、ビズビー特有の素晴らしい透明度と煌めきを持つブルー、ワイルドなチョコブラウンの母岩が特徴的で、ワイドウェブと言うよりもボルダータイプ(母岩を多く含んだタイプの石)と言うべきビズビーターコイズです。
最も上質な石が採掘された70年代中頃に産出した可能性が高い石で、ビズビーターコイズについては、トリートメントと無添加ナチュラルの判断が大変困難ですが、染められていないノンダイドであり、緑味の無い色相や高い硬度に由来する艶等から、無添加ナチュラルなターコイズと推測されます。
また、ワイドウェブビズビーであればハイグレードにグレーディングできる石もありますが、やはりボルダーターコイズのグレーディングは難しく、コマーシャルグレード・ミドルグレードと言うべき石かと思われます。
ただし、大きく入るビズビーらしいチョコブラウンの母岩の中に木漏れ日のように青く煌めくターコイズを見つけることが出来、他の鉱山では見られない唯一無二の美しさを感じることが出来るターコイズとなっています。
【Bisbee Turquoise】ビズビーターコイズは、アリゾナ州ビズビーにあった鉱山で、もとは古くからの銅山ですが、副産物として採取されていたターコイズが、1970年代から大規模に採掘され、その独特の青さと唯一無二の特徴は大変な人気を博しました。
閉山された後には値段が高騰し、現在では投機の対象にもなっている非常にコレクタブルなターコイズの一つとなりました。
マウントされたレッドコーラル/赤珊瑚は、イタリア産か東南アジア産と思われ、柔らかで美しい色彩が特徴的なナチュラルコーラルとなっています。
紅い色彩は強い存在感を放ちますが、ナチュラルな素材特有のなじみの良い表情が魅力的です。
本作が作られた当時に比べ、現代ではとても高い市場価値を有し、注目度も高い素材となっています。
また本作は、コーラルの色彩に負けない迫力のあるボリューム感を持つリングですが、デザインのバランスやアーシーなターコイズの表情等により、素朴さや調和を感じさせる作品となっています。
華やかなカラーリングやボリューム感を持ったフェイスにより、際立った存在感を示すリングとなっています。
しかしながらアーシーで上質なマテリアルにより仰々しい印象はなく、どこか愛らしく柔らかなデザインとナチュラルな表情を兼ね備え、パワフルでポップなスタイルでもナチュラルな装いにも、さらにドレスにさえもフィットし日常のコーディネイトにおいて素晴らしいアクセントと成り得る作品です。
さらに、そのボリューム感に反して沢山のジュエリーと合わせても、単独でも手に馴染みやすく合わせやすいジュエリーとなっています。
その製法とシルバーワークは、ナバホジュエリーの伝統的な技術とディテールとなっていますが、大胆に構成されたデザインには作者の強いオリジナリティを宿し、類似作品を見つけるのは不可能に近い唯一無二な作品となっています。
◆着用サンプル画像はこちら◆
コンディションは、多少のクスミや細かなキズ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラ、シャンク部分に僅かな歪み等は見られますが、目立ったダメージの無い状態です。
また、フェイズ土台部分の内側にはロウ付けの跡が確認できますが、これはダメージのリペア跡ではなく制作上でプレートを繋いだ形跡と思われます。
ターコイズやコーラルも天然石に由来するマトリックス部分の凹凸等が見られますが、ダメージのない良好なコンディションを保っています。