【NAVAJO】ナバホ/【PUEBLO】プエブロのビンテージジュエリー、深遠な景色を形成し強い透明感と艶の美しい、19個ものトップグレード【Godber/Burnham Turquoise】ガドバー/バーナムターコイズが羅列されたアンティーク/ビンテージバングルです。
ホールマーク(作者や工房のサイン)が刻印されていないため作者を特定することはできませんが、【Frank Patania Sr】フランク・パタニア(1899-1964)や同氏が経営したシルバークラフト店【Thunderbird Shop】サンダーバードショップが強く想起される造形スタイルのブレスレットとなっています。
1950年代後半~1970年代頃に作られたピースと思われ、厚いシルバーによって形作られたバンドは<75g>を超える重厚な造りとなっています。
さらにそのバンドは『リポウズ』や『バンプアウト』等と呼ばれるハンマーワークによって、立体的なドームシェイプとなっており、ワイドウィズなバンドの存在感をさらに高め、手首へのフィット感も柔らかくなっています。
この様なドーム状のアールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝を彫り込み、そこにシルバーを非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせることによって曲面を作っています。
そしてそのバンドのエッジには、ハーフラウンドワイヤーが配される事で、ブレスレットをフレーミングし際立たせるデザインと、しっかりとした強度を持たせる役割を担っています。
本作のシンプルなドームシェイプを基本とした造形スタイルは、前述の作家Frank Pataniaやその教え子達による作品において多く見られる特徴となっています。
簡素なシルバーワークのように感じられますが、実際には非常に正確で緻密なシルバーワークを必要とする造形であり、エッジに配されたハーフラウンドワイヤーの繋ぎ目が肉眼では確認できない事や、その造形センスを含め作者の卓越した技術力、理念や美意識まで垣間見える作品となっています。
その様なシルバーワークをベースとし、非常に美しくハイドームカットされたトップグレードターコイズが羅列されています。6個/7個/6個と規則的に並べられていますが、天然石のシェイプを活かしたカットの為、不規則なリズムとナチュラルで有機的な印象が生み出されています。
また、それらの石の間には大小36個ものシルバーボールが配されており、ナバホジュエリーらしい奥行きや複雑な表情に仕上げられています。
マウントされたターコイズは、素晴らしい透明感を持つリッチなブルーに強いブラック・ブラウンのスパイダーウェブが入る【Godber/Burnham】カドバー/バーナムターコイズ、又は【Lone Mountain Turquoise】ローンマウンテンターコイズです。
カドバー/バーナム鉱山の特徴として、アルミニウムが多く含まれることで透明感のあるミルキーブルーになるとされていますが、本作にマウントされた石は濃く深い青さを湛えています。
制作された時代から、カドバー/バーナムターコイズと推測していますが、1970年代に入ってから制作された【Lone Mountain Turquoise】ローンマウンテンターコイズである可能性も高い作品です。
それぞれがハイドームにカットされており、推定3~8カラット程度、トータルでは100カラット前後に達すると思われす。
さらに、ローワークという石が羅列される造形スタイルによって石の質の高さが際立ち、ジュエリーとしての完成度も飛躍的に高めている無添加ナチュラルのトップグレードターコイズとなっています。
資産としての価値も有する石であり、近年では市場に出る事さえ大変珍しい質のターコイズです。
【Frank Patania Sr.】フランク・パタニア・シニアは、1899年シチリア生まれのイタリア人で、インディアンジュエリーの世界に新しい価値観を持ち込み、多くの傑作を生み出しました。そして、多くの優秀な後進を育てた人物としても有名です。
6歳からイタリアで金細工師に弟子入りし、その技術を身に付けていきました。10歳のころに母親、兄弟とともにニューヨークに渡り、多くの移民とともに産業革命の喧騒なかで成長していきました。その後、19歳のころにニューヨークでも大手のジュエリーカンパニーでデザイナーとしての仕事に就き、そこでも多くの経験を積んだようです。転機となったのは1924年、当時大流行していた結核に侵され、療養のために訪れたサンタフェで、インディアンのシルバーとターコイズを使った仕事を見たとき、『自分の表現方法を発見した』 そして、『二度とニューヨークに戻りたくなくなった』と語っています。
そして、わずか3年後の1927年にはサンタフェに【Thunderbird Shop】サンダーバードショップをオープンしました。当時、シカゴ~アルバカーキ~南カリフォルニアへ続く鉄道整備に伴なって、アメリカ中西部各都市の観光産業の活況と共にフレッド・ハービー社の隆盛、インディアンアートの産業化もあり、その新しい魅力を持つ「サンダーバードショップ」のジュエリーや工芸品は大変な好評を博しました。
やはり、オープン初期からFrank Pataniaの作品はナバホ・プエブロ双方のインディアンジュエリーの影響を色濃く感じさせます。
また、多くのインディアンアーティストを育てたことでも有名です。【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ、【Julian Lovato】ジュリアン・ロバト、【Louis Lomay】ルイス・ロメイ、他にも【Mark Chee】マーク・チーなどもサンダーバードショップで石のカッターとして働いていたようです。
彼ら(特に上記3人)はFrank Pataniaの技術やその美意識を受け継ぎ、『パタニア サンダーバード』スタイルとも言われる作品を残しました。 それらは、独自性とインディアンジュエリーの伝統的で素朴な強さを持ちながら、新しい価値観や実験的な造形を生み出し、品位を感じさせる作品で、それぞれに強い個性を持っていますが、どこか共通する美意識を感じるのも特徴です。
こちらのデザインもそんなPatania Thunderbird styleの美意識と共に、インディアンジュエリーの世界に多様性をもたらした試みや、多文化を吸収する新しい意識を感じさせるデザインの貴重な作品です。
ただし本作は、サンダーバードショップで制作された作品には他に存在しない質のターコイズがマウントされている為、制作された年代は1950年代後半以降と推測され、Frank Patania本人による作品ではなく、その弟子や強い影響を受けたシルバースミスによるものと思われます。
シンプルでミニマルな作品ですが、古い技術によって生み出された柔らかなドーム状の造形と、出会う事さえ困難なトップグレードターコイズにより、とてつもない迫力とアーシーな魅力を宿すブレスレット。
性別を問わず多くのコーディネートにナチュラルにフィットしますが、あらゆる装いにおいて主役と成りえる華やかな存在感を示すジュエリーです。
石だけでも投資対象となる様な資産価値を有するジュエリー作品であり、完成された造形美を持ち、ウェアラブルアートとして芸術作品としても高く評価できるピース。アート・ジェムコレクションとしてもその価値を感じることのできるミュージアムクオリティを誇るビンテージジュエリーとなっています。
◆着用サンプル画像はこちら◆
コンディションはシルバーに多少のクスミや多少のキズ等は見られますが、使用感は少なく良い状態を保っています。
また、ターコイズにはマトリックス部分に凹凸が見られますが、それらはカットされた時からの天然石が持つ特徴であり、現在もアンティークピースでありながら素晴らしい艶を保っています。
◆こちらの価格につきましてはお問い合わせください。
お手数ですが、お問い合わせ作品名・アイテムコード・お名前・住所・電話番号・メールアドレスを必ずご記載下さいますようお願いいたします。
→
お問合せはこちら←