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JPO005699

【Awa Tsireh】 World's Oldest Eagle Feather Motif Pin c.1930

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0 円(税込)
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【San Ildefonso】サン・イルデフォンソプエブロの偉大な作家【Awa Tsireh】アワ・シーディ(1898-1955)が、インディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポスト在籍時に制作した作品。インディアンジュエリーとして世界最古のイーグルフェザーモチーフ作品であり、非常に高い史料価値と共にすでに高い完成度を有しているアンティーク/ビンテージピンブローチです。

内側に刻印されている『SOLID SILVER HAND MADE BY INDIANS』の表記により1930年代頃に同トレーディングポストで作られた作品と判断でき、さらに作者個人のホールマーク『AWA TSIREH』の文字が刻印された史料価値の高いミュージアムクオリティーのピースになります。

フェザーをモチーフにした作品は、日本の偉大な作家である高橋吾郎氏/goro'sの影響により国内で非常に多く流通していますが、ビンテージインディアンジュエリーでは希少なモチーフの一つです。現在ではナバホの作家でも【Harvey Mace】ハービーメイス等のフェザーモチーフで有名な作家が存在しますが、1960年代以前の作品にはほとんど見られず、本作よりも少し新しい年代に『UITA21』のホールマークによりGanscraft社で制作されたことが判る類似したフェザーモチーフ作品が確認されています。※Ganscraft社の作品については、下記のリンクよりご確認頂けます。
ITEM CODE:JPO005016
【UITA21/Ganscraft】 Atq Feather Shaped Silver Pin c.1945~

さらに、1960年代頃の作品ではナバホの巨匠Mark Chee】マーク・チー(1914-1981)の作品にもフェザーをモチーフとした髪飾りが発見されていますが、これら以外に古い年代のファザーモチーフ作品は確認されておらず、本作を含めAwa Tsirehが数点制作したと推測されるピンブローチが、インディアンジュエリーにおける最古のフェザーモチーフ作品と推定されます。


コインシルバーのインゴット(銀塊)から成形された地金をベースに、大きく写実的にイーグルフェザーのシェイプが形作られています。そこに、繊細なスタンプワークによって、細かな羽枝が表現されています。さらに、羽軸を中心として、巧みなハンマーワークによって柔らかな膨らみ/アールが与えられています。このようなアール/曲面のディテールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝/凹を彫り込んで、そこにシルバーを叩き添わせることによって立体的な造形を作り上げています。またその立体感により、独特な上質感や奥行きが与えられており、フラットなシェイプよりも美しく際立った存在感を放つ作品となっています。
現代ではインディアンジュエリーの一つのジャンルといえる程に定着したフェザーモチーフの最初期作品であり、Awa Tsirehの独創性や突出したデザインセンス、そしてその高い完成度を裏付けるシルバーワークの技術力に驚かされる作品となっています。後世のインディアンジュエリーに多大な影響を与えたと思われる偉大なピースです。


【Awa Tsireh】アワ・シーディ(シェラ/ツィレー)は、1898年ニューメキシコ州サンタフェから少し北にあるサン・イルデフォンソプエブロに生まれ、インディアンのアーティストとして高い知名度を得た最初期の人物の一人です。
ダンサー、ペインター(画家)としても高名で、残念ながらシルバーワークを始めた正確な時期やシルバーワークを学んだ背景は現在も明らかになっていませんが、1920年代にはすでにペインターとして非常に高い知名度と人気を得ており、1931年にはダンサー/ペインター/シルバースミスと紹介されています。また、1930年代初頭からコロラド州のGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに作品を供給し、その後20年以上に渡り同トレーディングポストに在籍することになったようです。どのような雇用形態であったかは不明ですが、30年代~40年代は、夏季のみコロラド州コロラドスプリングスに滞在し、ペイントとシルバーワークを行っていたと云われています。

また、Awa Tsirehの名前の発音については、正確な発音が不明となっています。元々文字を持たないインディアンの名前は、近代になってから英語やスペイン語の文字で発音をなぞるスペルが与えられました。そしてアメリカ政府の介入もあり、現在の様な個人名が確立されています。しかし、中には『枯れ葉のこすれる音』等と表現される、文字に置き換えることが難しい名前もあったようです。Awa Tsirehの発音は、英語のスペルをなぞると『アワ・ツィレー』になると思いますが、1938年の新聞記事では発音について『A-WA SI-DY』アーワ・シーディと紹介されています。

同作者の絵画作品は、インディアンダンサーや動物などの自然をモチーフにしながら独特な世界観を持ち、当時の西洋美術には存在しなかった様式と表現を持っていました。シルバーをはじめとするメタルワークは、GARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属していたこともあり、ツーリストジュエリーとしての側面を持ったポップでキャッチーな雰囲気の作品が多く残されていますが、そのモチーフの選択や躍動感のある作品群は、他の作家達とは一線を画しています。
1954年にはフランス政府から、ナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)やホピの巨匠【Fred Kabotie】フレッド・カボティー(1900–1986)らと共に、現在も存続している勲章『教育厚労賞』が与えられています。


また、こちらの作品のように当時から高名な作家によるジュエリーの多くは、同時代に観光客向けに作られたツーリストジュエリー/フレッド・ハービースタイルと呼ばれるスーベニアアイテムのデザインソースとなっています。
特に【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やこちらの作者であるAwa Tsirehの作品は、【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストをはじめとするManufacturersと呼ばれる量産メーカーによってコピーされています。参考商品→「Awa Tsirehの作品をコピーしたと思われるBELL社製カウボーイデザインのピンブローチ」
そのため当時、模倣品との明確な区別を促すため、UITA【United Indian Trader's Association】などが組織されて量産化された作品との差別化が図られた歴史もあります。


【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。所属していたのは、こちらの作者Awa Tsirehをはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。
1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、1979年にはビジネス自体が買収されました。
また、同店はコロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて、現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。

こちらの作品に刻印されている『SOLID SILVER』は、無垢の銀製と言う意味で、メッキでないことを表しており、インゴットシルバーであることを表してはいませんが、当時のGARDEN OF THE GODSの作品は、全てがインゴットシルバーからハンマーで叩くことで成形されており、こちらの作品が制作された時期のピースは、全てコインシルバー(銀含有率90.0%の地金)が使われていたとされています。


【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。 また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。
同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。
シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。
さらに古い1800年代後半頃の作品では、メキシカンコインが多く含まれていたためか、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっているようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。


フェザーモチーフは、インディアンジュエリーの中でも非常にアイコニックでキャッチーなデザインですが、本作はコインシルバーの少し沈んだトーンとプリミティブな技術によって作り上げられた質感により、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を作り上げているようです。

また本作が作られた当時は他にフェザーモチーフのジュエリーは存在しておらず、作者の強い独自性とアイデンティティーを宿す作品です。
その迫力あるボリューム感は、アウターやラペル、ハットなどにもフィットし、特別なアクセントとして際立った存在感を放ちます。

アンティークインディアンジュエリー独特の深淵で歴史を感じさせる味わいを持ち【Awa Tsireh】アワ・シーディ(ツィレー)という偉大な作家によるオリジナリティーと練り上げられたシルバーワークは、アートピースとしても高く評価されるピンブローチ。ミュージアムに収蔵されるべき作品であり、当店で最も高い希少性を有するピースの一つとなっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、全体にシルバーのクスミが見られますが特にダメージはありません。ハンドメイドによる造形ですので、制作上のムラは見られますが、使用感も少なくダメージ/リペア跡などのない良好なコンディションです。


こちらの価格につきましてはお問い合わせください。
お手数ですが、お問い合わせ作品名・アイテムコード・氏名・住所・電話番号・メールアドレスを必ずご記載下さいますようお願いいたします。  →お問合せはこちら
【San Ildefonso】サン・イルデフォンソプエブロの偉大な作家【Awa Tsireh】アワ・シーディ(1898-1955)が、インディアンクラフトショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポスト在籍時に制作した作品。インディアンジュエリーとして世界最古のイーグルフェザーモチーフ作品であり、非常に高い史料価値と共にすでに高い完成度を有しているアンティーク/ビンテージピンブローチです。

内側に刻印されている『SOLID SILVER HAND MADE BY INDIANS』の表記により1930年代頃に同トレーディングポストで作られた作品と判断でき、さらに作者個人のホールマーク『AWA TSIREH』の文字が刻印された史料価値の高いミュージアムクオリティーのピースになります。

フェザーをモチーフにした作品は、日本の偉大な作家である高橋吾郎氏/goro'sの影響により国内で非常に多く流通していますが、ビンテージインディアンジュエリーでは希少なモチーフの一つです。現在ではナバホの作家でも【Harvey Mace】ハービーメイス等のフェザーモチーフで有名な作家が存在しますが、1960年代以前の作品にはほとんど見られず、本作よりも少し新しい年代に『UITA21』のホールマークによりGanscraft社で制作されたことが判る類似したフェザーモチーフ作品が確認されています。※Ganscraft社の作品については、下記のリンクよりご確認頂けます。
ITEM CODE:JPO005016
【UITA21/Ganscraft】 Atq Feather Shaped Silver Pin c.1945~

さらに、1960年代頃の作品ではナバホの巨匠Mark Chee】マーク・チー(1914-1981)の作品にもフェザーをモチーフとした髪飾りが発見されていますが、これら以外に古い年代のファザーモチーフ作品は確認されておらず、本作を含めAwa Tsirehが数点制作したと推測されるピンブローチが、インディアンジュエリーにおける最古のフェザーモチーフ作品と推定されます。


コインシルバーのインゴット(銀塊)から成形された地金をベースに、大きく写実的にイーグルフェザーのシェイプが形作られています。そこに、繊細なスタンプワークによって、細かな羽枝が表現されています。さらに、羽軸を中心として、巧みなハンマーワークによって柔らかな膨らみ/アールが与えられています。このようなアール/曲面のディテールは、硬い木の土台や鉛の塊にアール(曲面)の溝/凹を彫り込んで、そこにシルバーを叩き添わせることによって立体的な造形を作り上げています。またその立体感により、独特な上質感や奥行きが与えられており、フラットなシェイプよりも美しく際立った存在感を放つ作品となっています。
現代ではインディアンジュエリーの一つのジャンルといえる程に定着したフェザーモチーフの最初期作品であり、Awa Tsirehの独創性や突出したデザインセンス、そしてその高い完成度を裏付けるシルバーワークの技術力に驚かされる作品となっています。後世のインディアンジュエリーに多大な影響を与えたと思われる偉大なピースです。


【Awa Tsireh】アワ・シーディ(シェラ/ツィレー)は、1898年ニューメキシコ州サンタフェから少し北にあるサン・イルデフォンソプエブロに生まれ、インディアンのアーティストとして高い知名度を得た最初期の人物の一人です。
ダンサー、ペインター(画家)としても高名で、残念ながらシルバーワークを始めた正確な時期やシルバーワークを学んだ背景は現在も明らかになっていませんが、1920年代にはすでにペインターとして非常に高い知名度と人気を得ており、1931年にはダンサー/ペインター/シルバースミスと紹介されています。また、1930年代初頭からコロラド州のGARDEN OF THE GODS TRADING POSTに作品を供給し、その後20年以上に渡り同トレーディングポストに在籍することになったようです。どのような雇用形態であったかは不明ですが、30年代~40年代は、夏季のみコロラド州コロラドスプリングスに滞在し、ペイントとシルバーワークを行っていたと云われています。

また、Awa Tsirehの名前の発音については、正確な発音が不明となっています。元々文字を持たないインディアンの名前は、近代になってから英語やスペイン語の文字で発音をなぞるスペルが与えられました。そしてアメリカ政府の介入もあり、現在の様な個人名が確立されています。しかし、中には『枯れ葉のこすれる音』等と表現される、文字に置き換えることが難しい名前もあったようです。Awa Tsirehの発音は、英語のスペルをなぞると『アワ・ツィレー』になると思いますが、1938年の新聞記事では発音について『A-WA SI-DY』アーワ・シーディと紹介されています。

同作者の絵画作品は、インディアンダンサーや動物などの自然をモチーフにしながら独特な世界観を持ち、当時の西洋美術には存在しなかった様式と表現を持っていました。シルバーをはじめとするメタルワークは、GARDEN OF THE GODS TRADING POSTに所属していたこともあり、ツーリストジュエリーとしての側面を持ったポップでキャッチーな雰囲気の作品が多く残されていますが、そのモチーフの選択や躍動感のある作品群は、他の作家達とは一線を画しています。
1954年にはフランス政府から、ナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)やホピの巨匠【Fred Kabotie】フレッド・カボティー(1900–1986)らと共に、現在も存続している勲章『教育厚労賞』が与えられています。


また、こちらの作品のように当時から高名な作家によるジュエリーの多くは、同時代に観光客向けに作られたツーリストジュエリー/フレッド・ハービースタイルと呼ばれるスーベニアアイテムのデザインソースとなっています。
特に【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やこちらの作者であるAwa Tsirehの作品は、【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストをはじめとするManufacturersと呼ばれる量産メーカーによってコピーされています。参考商品→「Awa Tsirehの作品をコピーしたと思われるBELL社製カウボーイデザインのピンブローチ」
そのため当時、模倣品との明確な区別を促すため、UITA【United Indian Trader's Association】などが組織されて量産化された作品との差別化が図られた歴史もあります。


【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストは、もともとFred Harvey Companyで働いていた【Charles E. Strausenback】チャールズ・E・ストローセンバックが、1920年にコロラド州Pike's Peakの国立公園『ガーデンオブザゴッズ』で始めた観光客向けのインディアンアートショップです。
多くの優秀なプエブロインディアン作家を擁し、ナバホのオールドスタイルをベースにしながらも、プエブロスタイルを積極的に取り入れたミックススタイルが特徴的な工房です。所属していたのは、こちらの作者Awa Tsirehをはじめ、ナバホの【David Taliman】デビッド・タリマン(1902or1901-1967)、他にも【Epifanio Tafoya】【William Goodluck】【John Etsitty】等、プエブロ・ナバホの中でも、後に偉大なアーティストとして知られる多くの作家達であり、それぞれが独創的なスタイルを生み出し、沢山の傑作を送り出したインディアンアートショップです。
1940年代には、コロラド州ガーデンオブゴッドとコロラドスプリングス、そしてアリゾナ州フェニックスにも店舗を展開しますが、1956年頃にCharles E. Strausenbackが亡くなっており、1979年にはビジネス自体が買収されました。
また、同店はコロラド州にある神々の庭/Garden of the Godsにて、現在もヒストリックなトレーディングポストとして当時の姿を残して土産物店・カフェとして運営されています。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。

こちらの作品に刻印されている『SOLID SILVER』は、無垢の銀製と言う意味で、メッキでないことを表しており、インゴットシルバーであることを表してはいませんが、当時のGARDEN OF THE GODSの作品は、全てがインゴットシルバーからハンマーで叩くことで成形されており、こちらの作品が制作された時期のピースは、全てコインシルバー(銀含有率90.0%の地金)が使われていたとされています。


【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。 また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。
同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。
シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。
さらに古い1800年代後半頃の作品では、メキシカンコインが多く含まれていたためか、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっているようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。


フェザーモチーフは、インディアンジュエリーの中でも非常にアイコニックでキャッチーなデザインですが、本作はコインシルバーの少し沈んだトーンとプリミティブな技術によって作り上げられた質感により、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を作り上げているようです。

また本作が作られた当時は他にフェザーモチーフのジュエリーは存在しておらず、作者の強い独自性とアイデンティティーを宿す作品です。
その迫力あるボリューム感は、アウターやラペル、ハットなどにもフィットし、特別なアクセントとして際立った存在感を放ちます。

アンティークインディアンジュエリー独特の深淵で歴史を感じさせる味わいを持ち【Awa Tsireh】アワ・シーディ(ツィレー)という偉大な作家によるオリジナリティーと練り上げられたシルバーワークは、アートピースとしても高く評価されるピンブローチ。ミュージアムに収蔵されるべき作品であり、当店で最も高い希少性を有するピースの一つとなっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、全体にシルバーのクスミが見られますが特にダメージはありません。ハンドメイドによる造形ですので、制作上のムラは見られますが、使用感も少なくダメージ/リペア跡などのない良好なコンディションです。


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Size

縦 約10.95㎝   横 約2.2㎝

Material

Ingot Silver (Coin Silver)