【ZUNI】ズ二のビンテージジュエリー、ズニジュエリーの伝統的な技術であるターコイズインレイによって構成された作品で、非常にクリーンでビンテージ作品ながら現代的な印象に仕上げられた比較的大きいサイズ(24.5号程度)のアンティーク/ビンテージリングです。
またこちらの作品には内側にスクラッチ/エングレイビングによって『M to P 9-10-65 Sweet Dreams』と言う文字が刻まれており、1965年9月10日にプレゼントとして贈られたものと思われ、それ以前に作られたことが判断できる作品です。
シャンクはハーフラウンドのシェイプを持ち、その半円型の断面に合わせて美しいターコイズがインレイされています。またそれは、長方形が整然と羅列されており、構築的でモダンな印象となっています。さらに、そのインレイワークはリングの円周全てに施されており、外側からはつなぎ目が発見できない仕上がりとなっており、作者の拘りと高い技術力を感じさせます。
セットされたターコイズは、一部に変色が見られマルチカラーになっていますが、それらを含めて味わい深い表情の石がセットされています。古い作品らしい優しい発色とアーシーなグラデーションを持つ石であり、1970年代後半以降のズニジュエリーではほとんど見られない無添加ナチュラルターコイズです。
【Inlay】インレイ/チャンネルインレイは、古くからズニ族が得意として発展させた技術であり、カットしたターコイズやシェルなどをシルバーにピッタリと嵌め込む螺鈿細工のような技術です。 ナバホのシルバー技術に次ぐ長い伝統のある技術であり、1920年代以降、現在に至るまで多く作られましたが、そのモチーフはサンダーバード、ナイフウイング、レインボーマン、サンフェイス等、とても多様なモチーフが見られます。【C. G. Wallace INDIAN TRADER】C.G.ウォレスインディアントレーダー等有力なトレーダーの元では、ナバホのシルバースミスがシルバーワークを担当し、そこにズニのシルバースミスがインレイワークを施した共作品なども作られてます。
また、現在ではインレイ技法で制作される多くのジュエリーがキャストによる量産品(量産されたシルバーに石をはめ込むだけ)となってしまいましたが、こちらはシルバー部分を含めてすべてがハンドメイドで成形されています。
ズニの伝統的な技術やディテールで構成されながら、現在においてもクリーンで洗練された印象を与える魅力的な作品。また、それは構築的で端正なシルバーワークによって無機質な造形となっていますが、深遠な奥行きと有機的な表情を持つターコイズによってビンテージインディアンジュエリー独特の趣を宿しているようです。
また、女性向けサイズが多数となっているズニジュエリーでは珍しく、程よいボリューム感も持ったメンズサイスのリングであり、これは個人的なオーダーに応えて制作されたためと思われます。
シンプルでクリーンなデザイン/造形は、高い汎用性を持ち多くのスタイルにさり気なく馴染みやすいリングとなっています。
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コンディションは、シルバーには僅かなクスミがあり、全体に僅かな使用感等が見られますが、ダメージやリペア跡は無く良好な状態を保っています。