【NAVAJO】ナバホの【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる、20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテム(土産物)の一つ。センターにグリーンターコイズがセットされ、サンダーバードやアローなどのスタンプワークが刻まれたとても小さいサイズのアンティーク/ビンテージバングルです。

1930年代後半～1950年代製と思われ、日本で『平打ち』と呼ばれるフラットなプレート状のナローなバンドをベースに造形されたピース。センターには深く濃いグリーンターコイズがセットされ、その両脇にはクロスデザインを含んだサンダーバードのスタンプが刻まれています。さらに両サイドには、鏨(鉄製の金型ツール)の凸と凹を用いてシルバーを叩きだすことで立体的な凹凸を作る『リポウズ』という技術によってシェルコンチョが表現されています。また、サイドからターミナルにかけてはアロー(弓矢)等の、ツーリストアイテムらしいスタンプワークが刻まれることでキャッチーな印象に仕上がっています。

またこちらのようなアイテムは、1920年にコロラド州で創業したインディアンアートショップ【GARDEN OF THE GODS TRADING POST】ガーデンオブザゴッズトレーディングポストや、1915年にニューメキシコ州サンタフェで創業し、その後当地でも最大級の店に成長した【Ganscraft】=【Julius Gans Southwestern Arts and Crafts】ガンズクラフト社、その他の古くからの伝統を重視する各地のトレーディングポスト等で制作されていました。また、それらの作品を元に量産化したニューメキシコ州アルバカーキの有名工房【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストや、コロラド州デンバーでツーリスト向けのジュエリーを最も古くから製造していたことで知られる【Harry Heye Tammen】H.H.タンメン社、さらに同社から独立したニューヨークのメーカー【Arrow Novelty】アローノベルティ社等で製造されることになります。
残念ながらこちらにはショップマークやホールマークは入らず、作者や工房等の詳細は不明となっています。


【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは、限界の無い幸福を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。

【Arrow/Arrowhead】アロード/アローヘッは、『お守り』の意味合いを持ちインディアンジュエリー創成期からみられる最古のモチーフの一つです。


キャッチーなスタンプワークが好印象なフレッド・ハービースタイルらしいデザインのピース。そして、とても小さいサイズが特徴のバングルです。少しナローな幅と控えめなボリューム感も含め、手首サイズの小さい女性に向いています。
華奢な印象を持っていますが、ナバホジュエリーらしい武骨さやビンテージピース特有のナチュラルでアーシーな表情も感じられるバングルとなっています。

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コンディションも経年によるシルバーのクスミやハンドメイド特有の制作時のムラ、多少の歪みなどが見られますが、使用感は少なく、特にダメージやリペア跡等もない良い状態を保っています。