【Hopi】ホピ族のベテラン作家【Emery Holmes Sr】エメリー・ホルムズによる作品で、1960年にフェニックスで創業し、その後カイコツムービービレッジで営業していたホピのオーバーレイ作品を専門に制作販売したショップ【Hopi Crafts】ホピクラフツ在籍時代のリング。 とても濃く、美しい表情のスモーキービズビーターコイズがセットされたOLDPAWNジュエリーです。
ホピの特徴的な技術であるオーバーレイ技法によって、『波』や『水』を表す紋様が施され、同じくオーバーレイにより切り抜かれたディテールに美しいビズビーターコイズがセットされています。
オーバル型のフェイスはボリューム感があり、オーバーレイによって施された紋様と、とても良い相性に仕上がっています。また、オーバーレイのシャドー部分にはテクスチャーとして細かな線が刻まれ、さらに奥行きのある表情がもたらされています。
裏側には、Emery Holmesのホールマークである『EH』と当時在籍した工房の『HC』の刻印が施されています。
【Emery Holmes Sr】エメリー・ホルムズは、1950年代にアリゾナ州北部のホピネーションで生まれ、1975年頃からジュエラーとして活動しています。兄は、同じくジュエラーの【Douglas Holmes】ダグラス・ホルムズ。 シルバースミスとしての技術は、前述の【Hopi Crafts】ホピクラフツで【Glenn Lucas】等から学んだようです。 オーセンティックなオーバーレイの作品を得意としており、日本ではあまり紹介されていない作家の一人ですが、センスが良く流麗で美しい作品を多く制作している作家です。
【Hopi Crafts】ホピクラフツは、ホートビラ出身の【Emory & Wayne Sekaquaptewa】エモリー&ウェイン セカクアプテワ兄弟によって、1960年に創業したホピの作品を扱う工房でありショップです。当時は、シルバーワーク技術指導に巨匠【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァを招いていました。1962年にはホピネーション内であるカイコツムービービレッジに移り、1983年頃まで営業していました。現在、大巨匠として知られる【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤや【Eldon James】エルドン・ジェームスが在籍した工房です。
オーバーレイを用いた作品を専門的に扱い、こちらの作品の様にターコイズがセットされたピースは、非常に稀です。
【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで、立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの作家【Paul Saufkie】によって生み出された技術で、40年代~50年代に、Harry SakyesvaやAllen Pooyouma等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。
これらの内容からこちらの作品は、Emery HolmesがHopi Craftsに在籍した1975年~83年の間に作られた物であり、中でもセットされたビズビーターコイズや作品のスタイルなどから1970年代末頃の作品と推測されます。
セットされているターコイズは、もちろんとても貴重な無添加ナチュラルのビズビーターコイズで、とてもスモーキーでビズビーらしい石がセットされています。
とても濃く深いダークトーンのブルーにチョコブラウン~ブラックマトリックスが入り、よく見ると深い色の中にウェブが形成されています。 とてもスモーキーで複雑な景色が怪しくも美しいターコイズ。
少しスモーキーすぎる表情のため、ハイグレードとは言えませんが、ワイルドな雰囲気にエレガントな印象も与えるビズビー独特の美しさを持つミドルグレード以上のクウォリティーです。
ホピらしいデザインとオーバル型のフェイスはインディアンジュエリーらしい素朴な味わいであり、美しいターコイズと高い完成度によってエレガントな印象も感じられます。 女性に向いた作品ですが、男性のピンキーにもお使いいただけるサイズと思われます。
ナバホやズニの作品とも違和感なくフィットするオーセンティックでクリーンなリングです。
着用画像はこちら↓
画像①
画像②
画像③
画像④
画像⑤
コンディションは僅かな使用感やシルバーのクスミが見られますが、ターコイズを含めダメージやリペアの跡などはなく、良好な状態を保っています。