【NAVAJO】ナバホ族の『セカンドフェイズ』と呼ばれる1920年代から、その少しあとの1940年代までに作られたと思われる大変美しいアンティークバングルです。

幅の細いナローなバングルですが、しっかりと厚みのあるトライアングルとハーフラウンドの中間的な造形に仕上げられた作品です。ターミナルにかけて細く薄くなるそのシェイプは非常に美しく、作者の技量が大変素晴らしいものであったことが伺えます。
【INGOT】インゴットから成形され、控えめなボリューム感ですが、心地よい重量感があります。史料価値も高いピースかと思います。

センターとターミナル付近には独特のスタンプワークが施されています。アンティーク作品のため、摩耗によりスタンプは薄くなっていますが、もともとのクオリティーが非常に高い作品のため、長い経年により、さらに美しくなっているように感じさせます。

また、ホールマーク等の刻印がないため、作者を特定することはできませんが、少し独特なスタンプや造形は【Ambrose Roanhorse】を想起させます。
ナバホギルドの代表を務めた【Ambrose Roanhorse】は サードジェネレーションと呼ばれる第3世代の作家ですが、さらに古い年代の伝統を重んじた作品を多く残し、独特の造形美や完成された技術は次世代に絶大な影響を与えた人物です。

アンティークピースながら、洗練された完成度と普遍的な造形美を持つ作品です。絶妙な手仕事によって生み出されたシェイプの美しさは絶対的で、素晴らしいクオリティーを感じさせます。


コンディションは、使用による摩耗が全体に見られ、スタンプはかなり薄くなっています。しかしながら、リペアの跡などは無く、ダメージもありません。長い時間を経てもなお美しい姿を保っています。