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JPO005604

【U.S.NAVAJO 70 / NAVAJO GUILD】Stamped Silver Pin in 1941-43

【U.S.NAVAJO 70 / NAVAJO GUILD】Stamped Silver Pin in 1941-43
94,600 円(税込)
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【NAVAJO】ナバホジュエリーの中でも短期間のみ使用されたホールマーク【U.S.NAVAJO】の刻印されたピースで、末尾に記されたトレーディングポスト等の制作元を表すナンバーは【70】、つまり【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)=通称『ナバホギルド』による作品。アンティークピースでありながら非常にモダンで洗練されたデザインが特徴的で、現代の作品を凌ぐクオリティと完成度を持つビンテージ/アンティークピンブローチです。

上記のホールマークから1941年~1943年頃の間に作られたものと判断することが可能で、短期間しか使用されなかった『U.S.NAVAJO』のホールマークや、インディアンジュエリーにおけるナバホギルドの果たした役割や重要性、現代作品への影響が読み取れる作品であり、高い史料価値を持ちミュージアムに収蔵されていても不思議ではない作品です。

インゴットシルバー(銀塊)より成形されたリボンとラグビーボールの中間的なシェイプをべースにしており、それは『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術により生み出された上下2本のラインの文様を元に形作られたシェイプの様です。さらに、チェイシングによるアール状のラインの上に細かく力強いスタンプワークが刻まれ、モダンでグラフィカルなデザインにナバホジュエリーらしい味わいが付加されています。
また、それらのラインとエッジの間に細く線状の『縁』が残されていますが、これはとても高い技術を必要とするディテールであり、何気ない細部ですが作品のスペシャリティと存在感の強さを与えているようです。

そして、全体に立体的で柔らかなアールが施されることで独特な上質感が与えられています。これは、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、高度なハンマーワークが駆使されています。シルバーのみで構成されたシンプルな造形ながらエッジ―なデザインと巧みなハンマーワーク等が施される事で、インディアンジュエリー独特の味わいや武骨さも感じさせる仕上がりとなっています。


こちらのホールマーク『U.S.NAVAJO』部分が表している【Indian Arts & Crafts Board】(IACB)は、【The United Indian Trader’s Association】(UITA)等と共にインディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために現地トレーディングポストやトレーダーによって1937年に組織されました。 中でもIndian Arts & Crafts Boardは、『U.S.NAVAJO』のスタンプを使うことで、アメリカ政府の公認を表した公的な意味合いを重視した組織です。
実際には、1930年代以降に隆盛した、【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の"Manufacturers"とされる量産化を推し進めたメーカーによるマスプロ品と、その製法や工程において正当なインディアンジュエリーであること等を差別化するために発足されました。上記のような現在『フレッド・ハービースタイル』と呼ばれるメーカーでは、ジュエリー等の製作に分業化や機械化を進め、結果的にインディアンジュエリー作家の独立や生計を圧迫しました。 そのため、古くからインディアン達と密接に付き合い、インディアンアート/クラフトを扱うトレーディングポストやトレーダー、さらにはインディアンアーティスト自身たちによって、量産化を図るメーカーに対する対抗策が講じられました。Indian Arts & Crafts Boardもその中の一つで、サンタフェの人類学研究所キュレーターである【Kenneth Chapman】ケネス・チャップマンと、サンタフェインディアンスクールで彫金クラスを受け持つナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)の二人によって、『U.S.NAVAJO』の刻印を許可する選定が厳しく行われました。
前述の様に末尾のナンバーはそれぞれトレーディングポストや工房を表しています。
現在、判明しているナンバーは・・・
U.S.NAVAJO 1 = Gallup Mercantile
U.S.ZUNI 1 & U.S.NAVAJO 2 = C. G. Wallace Trading Post 等がありますが、
末尾の数字が二桁のものはアメリカ中西部にいくつか点在している政府が運営するインディアンスクールの彫金クラスで制作されたピースを表しています。

こちらの【70】は、Ambrose Roanhorseが代表を務めたナバホギルドに与えられていたようです。なぜ、ナバホギルドが二桁のナンバーなのか不明ですが、やはりトレーダーや工房、トレーディングポストとは違った「高等教育機関」という意味合いも持つナバホギルドの特殊性を表していると考えられます。


【The Navajo Arts & Crafts Guild】(NACG) ※以下ナバホギルドも【U.S.NAVAJO】/【Indian Arts & Crafts Board】と同様の理由により、現地トレーディングポストや作家たちの手によって組織されました。
中でもナバホギルドは、UITA等に比べナバホの職人主導で組織された団体で、大巨匠であるナバホのシルバースミス【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)が代表を務め、後進の育成や伝統的な技術の伝承、インディアンジュエリーのさらなる普及などを目的に1941年にギルドとして発足しました。明確にはなっていませんが、U.S.NAVAJO/Indian Arts & Crafts Boardが1937年~1940年代の初め頃までしか見られないのも、どちらの組織においても重要な役割を担っていたAmbrose Roanhorseが、Navajo Guild/The Navajo Arts & Crafts Guildに注力したためではないかと考えられます。
ナバホギルドによる作品のスタイルは特徴的で、Ambrose Roanhorseの意図が強く働いた影響のためか、インゴットから作られたベースに、クリーンで構築的なスタンプワークをメインとしたデザインと、昔ながらのキャストワークによるピースが多く、どちらも回顧主義的なオールドスタイルでありながら、洗練された美しい作品が多く制作されました。

また、もう一つの特徴はその構成メンバーです。当時から有名で最高の技術を究めた作家が名を連ねています。
【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイ、【Mark Chee】マーク・チー、【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン、【Allan Kee】アレン・キー、【Ivan Kee】アイバン・キー、【Jack Adakai】ジャック・アダカイ、【Billy Goodluck】ビリー・グッドラック等、さらに、Ambrose Roanhorseの教え子の一人であるホピ族の【Louis Lomay】ルイス・ロメイもナバホギルドのメンバーだったようです。

さらに特筆すべきは、これだけ有名作家が揃っていながら【NAVAJO GUILD】のジュエリーとして制作されるものは、個人のホールマーク(署名/サイン)が認められていませんでした。そのため、1941年の発足から1940年代の半ばごろまでは、まったくホールマークなどが記載されていないか、1943年まではこちらの作品と同じ『U.S.NAVAJO 70』が用いられています。その後、1940年代後半からは、【Horned Moon】と呼ばれるホールマークが刻印されるようになりました。

ナバホギルドの代表を務めた【Ambrose Roanhorse】は後進の育成にも熱心な作家で、1930年代からサンタフェのインディアンスクールで彫金クラスを受け持っており、多くの教え子を持っていました。古い年代の伝統技術を重んじた作品を多く残し、独特の造形美や完成された技術は次世代に絶大な影響を与えた人物です。

現代では、ナバホのトップアーティストである【McKee Platero】マッキー・プラテロ氏等がこちらの作品のようなAmbrose Roanhorseやナバホギルドが生み出した「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」の影響を強く受けていると思われます。特に初期のMcKee Plateroの作品では、こちらと同じようなシンプルで簡潔なスタンプワークとファイルワークのみで構成されたピースが散見されます。
それらをベースにさらに自身の思想や美意識を反映させ、高い次元へと作品を昇華させたマッキー・プラテロ氏は、日本の伝統継承で云う『守・破・離』を体現し、ナバホジュエリーをアートピースに押し上げています。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


こちらのピースもナバホギルドの初期作品であり、「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」という特徴をしっかりと備えています。それは、伝統的な製法/技術が踏襲されたシルバーワークと素晴らしい造形美が堪能できる作品であり、【Ambrose Roanhorse】と【The Navajo Arts & Crafts Guild】の美意識を感じることが出来る作品です。

シルバーのみで構成されたシンプルな造形は、非常にクリーンで洗練された印象を持っています。さらに、ビンテージインディアンジュエリー独特のワイルドな表情とエレガントで悠然とした佇まいを兼ねそろえた作品となっています。

ラペルやハット以外にもコンチョのように使用することも可能で、多くのアイテムに馴染みの良いシンプルなピンブローチ。強い存在感の作品ではありませんが、クリストファー・ネメスの洋服に合わせたくなるようなグラフィカルな印象も持っており、いつものスタイルにさりげなくアクセントになってくれるアイテムです。

手工芸品として極限まで高められたシルバーワークによりアートピースとしても高く評価されるジュエリー作品であり、インディアンジュエリーの歴史的な資料価値も高い大変コレクタブルなピンブローチです。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションも大変良好で使用感のほとんど無い状態です。僅かなクスミや小キズなどは見られますが、ダメージやリペアの跡などはありません。
【NAVAJO】ナバホジュエリーの中でも短期間のみ使用されたホールマーク【U.S.NAVAJO】の刻印されたピースで、末尾に記されたトレーディングポスト等の制作元を表すナンバーは【70】、つまり【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)=通称『ナバホギルド』による作品。アンティークピースでありながら非常にモダンで洗練されたデザインが特徴的で、現代の作品を凌ぐクオリティと完成度を持つビンテージ/アンティークピンブローチです。

上記のホールマークから1941年~1943年頃の間に作られたものと判断することが可能で、短期間しか使用されなかった『U.S.NAVAJO』のホールマークや、インディアンジュエリーにおけるナバホギルドの果たした役割や重要性、現代作品への影響が読み取れる作品であり、高い史料価値を持ちミュージアムに収蔵されていても不思議ではない作品です。

インゴットシルバー(銀塊)より成形されたリボンとラグビーボールの中間的なシェイプをべースにしており、それは『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術により生み出された上下2本のラインの文様を元に形作られたシェイプの様です。さらに、チェイシングによるアール状のラインの上に細かく力強いスタンプワークが刻まれ、モダンでグラフィカルなデザインにナバホジュエリーらしい味わいが付加されています。
また、それらのラインとエッジの間に細く線状の『縁』が残されていますが、これはとても高い技術を必要とするディテールであり、何気ない細部ですが作品のスペシャリティと存在感の強さを与えているようです。

そして、全体に立体的で柔らかなアールが施されることで独特な上質感が与えられています。これは、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、高度なハンマーワークが駆使されています。シルバーのみで構成されたシンプルな造形ながらエッジ―なデザインと巧みなハンマーワーク等が施される事で、インディアンジュエリー独特の味わいや武骨さも感じさせる仕上がりとなっています。


こちらのホールマーク『U.S.NAVAJO』部分が表している【Indian Arts & Crafts Board】(IACB)は、【The United Indian Trader’s Association】(UITA)等と共にインディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために現地トレーディングポストやトレーダーによって1937年に組織されました。 中でもIndian Arts & Crafts Boardは、『U.S.NAVAJO』のスタンプを使うことで、アメリカ政府の公認を表した公的な意味合いを重視した組織です。
実際には、1930年代以降に隆盛した、【BELL TRADING POST】や【Maisel's Indian Trading Post】、【Arrow Novelty】等の"Manufacturers"とされる量産化を推し進めたメーカーによるマスプロ品と、その製法や工程において正当なインディアンジュエリーであること等を差別化するために発足されました。上記のような現在『フレッド・ハービースタイル』と呼ばれるメーカーでは、ジュエリー等の製作に分業化や機械化を進め、結果的にインディアンジュエリー作家の独立や生計を圧迫しました。 そのため、古くからインディアン達と密接に付き合い、インディアンアート/クラフトを扱うトレーディングポストやトレーダー、さらにはインディアンアーティスト自身たちによって、量産化を図るメーカーに対する対抗策が講じられました。Indian Arts & Crafts Boardもその中の一つで、サンタフェの人類学研究所キュレーターである【Kenneth Chapman】ケネス・チャップマンと、サンタフェインディアンスクールで彫金クラスを受け持つナバホの巨匠【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)の二人によって、『U.S.NAVAJO』の刻印を許可する選定が厳しく行われました。
前述の様に末尾のナンバーはそれぞれトレーディングポストや工房を表しています。
現在、判明しているナンバーは・・・
U.S.NAVAJO 1 = Gallup Mercantile
U.S.ZUNI 1 & U.S.NAVAJO 2 = C. G. Wallace Trading Post 等がありますが、
末尾の数字が二桁のものはアメリカ中西部にいくつか点在している政府が運営するインディアンスクールの彫金クラスで制作されたピースを表しています。

こちらの【70】は、Ambrose Roanhorseが代表を務めたナバホギルドに与えられていたようです。なぜ、ナバホギルドが二桁のナンバーなのか不明ですが、やはりトレーダーや工房、トレーディングポストとは違った「高等教育機関」という意味合いも持つナバホギルドの特殊性を表していると考えられます。


【The Navajo Arts & Crafts Guild】(NACG) ※以下ナバホギルドも【U.S.NAVAJO】/【Indian Arts & Crafts Board】と同様の理由により、現地トレーディングポストや作家たちの手によって組織されました。
中でもナバホギルドは、UITA等に比べナバホの職人主導で組織された団体で、大巨匠であるナバホのシルバースミス【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)が代表を務め、後進の育成や伝統的な技術の伝承、インディアンジュエリーのさらなる普及などを目的に1941年にギルドとして発足しました。明確にはなっていませんが、U.S.NAVAJO/Indian Arts & Crafts Boardが1937年~1940年代の初め頃までしか見られないのも、どちらの組織においても重要な役割を担っていたAmbrose Roanhorseが、Navajo Guild/The Navajo Arts & Crafts Guildに注力したためではないかと考えられます。
ナバホギルドによる作品のスタイルは特徴的で、Ambrose Roanhorseの意図が強く働いた影響のためか、インゴットから作られたベースに、クリーンで構築的なスタンプワークをメインとしたデザインと、昔ながらのキャストワークによるピースが多く、どちらも回顧主義的なオールドスタイルでありながら、洗練された美しい作品が多く制作されました。

また、もう一つの特徴はその構成メンバーです。当時から有名で最高の技術を究めた作家が名を連ねています。
【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイ、【Mark Chee】マーク・チー、【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン、【Allan Kee】アレン・キー、【Ivan Kee】アイバン・キー、【Jack Adakai】ジャック・アダカイ、【Billy Goodluck】ビリー・グッドラック等、さらに、Ambrose Roanhorseの教え子の一人であるホピ族の【Louis Lomay】ルイス・ロメイもナバホギルドのメンバーだったようです。

さらに特筆すべきは、これだけ有名作家が揃っていながら【NAVAJO GUILD】のジュエリーとして制作されるものは、個人のホールマーク(署名/サイン)が認められていませんでした。そのため、1941年の発足から1940年代の半ばごろまでは、まったくホールマークなどが記載されていないか、1943年まではこちらの作品と同じ『U.S.NAVAJO 70』が用いられています。その後、1940年代後半からは、【Horned Moon】と呼ばれるホールマークが刻印されるようになりました。

ナバホギルドの代表を務めた【Ambrose Roanhorse】は後進の育成にも熱心な作家で、1930年代からサンタフェのインディアンスクールで彫金クラスを受け持っており、多くの教え子を持っていました。古い年代の伝統技術を重んじた作品を多く残し、独特の造形美や完成された技術は次世代に絶大な影響を与えた人物です。

現代では、ナバホのトップアーティストである【McKee Platero】マッキー・プラテロ氏等がこちらの作品のようなAmbrose Roanhorseやナバホギルドが生み出した「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」の影響を強く受けていると思われます。特に初期のMcKee Plateroの作品では、こちらと同じようなシンプルで簡潔なスタンプワークとファイルワークのみで構成されたピースが散見されます。
それらをベースにさらに自身の思想や美意識を反映させ、高い次元へと作品を昇華させたマッキー・プラテロ氏は、日本の伝統継承で云う『守・破・離』を体現し、ナバホジュエリーをアートピースに押し上げています。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで叩き伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやバーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


こちらのピースもナバホギルドの初期作品であり、「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」という特徴をしっかりと備えています。それは、伝統的な製法/技術が踏襲されたシルバーワークと素晴らしい造形美が堪能できる作品であり、【Ambrose Roanhorse】と【The Navajo Arts & Crafts Guild】の美意識を感じることが出来る作品です。

シルバーのみで構成されたシンプルな造形は、非常にクリーンで洗練された印象を持っています。さらに、ビンテージインディアンジュエリー独特のワイルドな表情とエレガントで悠然とした佇まいを兼ねそろえた作品となっています。

ラペルやハット以外にもコンチョのように使用することも可能で、多くのアイテムに馴染みの良いシンプルなピンブローチ。強い存在感の作品ではありませんが、クリストファー・ネメスの洋服に合わせたくなるようなグラフィカルな印象も持っており、いつものスタイルにさりげなくアクセントになってくれるアイテムです。

手工芸品として極限まで高められたシルバーワークによりアートピースとしても高く評価されるジュエリー作品であり、インディアンジュエリーの歴史的な資料価値も高い大変コレクタブルなピンブローチです。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションも大変良好で使用感のほとんど無い状態です。僅かなクスミや小キズなどは見られますが、ダメージやリペアの跡などはありません。
Size

縦 約2.65㎝   横 約5.85㎝ 

Material

Ingot Silver