【NAVAJO】ナバホの作家【Chris Billie】クリス・ビリー作品で、ナバホの独特な技法であるトゥーファキャストで成形されたCactus/サボテンシェイプがトップに構成されたネックレスです。
ナバホのオールド作品を元に制作依頼した当店オリジナルオーダーのピースで、どこか可愛い印象のサボテンシェイプに、細かく力強いスタンプワークが施されたトップです。とてもシンプルにサボテンのシェイプをトップに構成した作品で、バチカン部分のエッジにはアンティーク作品の様な刻みがスタンプワークによって施されています。またこちらの作品は、Chris Billieが得意とするトゥーファキャストで造形されており、ハイポリッシュに磨かれていますが、部分的にはトゥーファキャスト独特なシルバーの肌が残されており、スタンプワークと共にサボテンの持つ質感を表現しています。ナバホのプリミティブで武骨な印象とキャッチーでナチュラルな印象も感じさせるネックレスです。
付属のシルバーチェーンも新しいものですが重厚なシルバー製で、独自にアンティーク加工を施しており、こちらのトップによく馴染む表情になっています。
こちらがモチーフとしているサボテンは、アリゾナ州を中心に北米大陸南部に多く自生している【Saguaro Cactus】サハロ・カクタスと言う品種で、日本では弁慶柱(ベンケイチュウ)と呼ばれる巨大なサボテンです。成長が遅く15年で30㎝ほどしか成長しません。 35年以上でようやく花を咲かせ、その花はアリゾナ州の州花とされています。
【Chris Billie】クリス・ビリーは、トゥーファキャストにこだわってジュエリー制作をしているナバホのアーティストで、今では数少ないナバホの伝統的な技術に真摯に向き合って制作を続けている人物です。
前職は救急救命士をしており、ジュエラーとしてのキャリアはまだまだ浅い作家ですが、誠実で責任感のある人柄で、若いころに【Perry Shorty】ペリー・ショーティーよりジュエリー制作の基礎を学んでいることもあってか、手間と技術を要する昔ながらの製法・技術を守りながら新しいスタイルも模索しています。 それは、ナバホジュエリーにおいて大変重要なスタンプ(鏨)を全てオリジナルで制作していることからもうかがい知ることができ、シルバーゲージを使わず、全てトゥーファキャストで地金から制作しているスタイルもナバホのアンティークに近い質感や雰囲気を生み出すことにつながっていると思われます。
ホールマークは通常、『KRS』が入ります。『KRS』は小さいころからの呼び名であり、本人にも理由は不明とのことですが、物心ついたときには母親からも『KRS』と呼ばれていたようです。 そのため、本名のイニシャルとは関係なくKRSを使用しているそうです。
今後は、アートショーなどでアワードを受賞し、その知名度と作品の価値を高めていくことが期待される作家の一人です。
【Tufa Cast】トゥーファキャストとは・・・・
トゥーファストーンという石を使用したナバホ族の伝統的な鋳造製法です。材料となるのはトゥーファ鉱山より採掘される軽石のようなとても柔らかい石(トゥーファストーン)で、これを削ることによって作品の型を制作します。
2枚用意されたトゥーファの片方にデザインを彫刻し、2枚合わせたトゥーファの溝にシルバーを流し込んで行う鋳造製法です。
量産には向かず、多くが一点物の作品になり手間もかかるため、多くのアーティストが扱う技術ではありません。
しかしながら、その仕上がりは石の質感を活かすことで、大地の自然な表情を切り取ったような独特の質感が表現でき、ホピの巨匠【Charles Loloma】チャールズ・ロロマも好んで用いた手法です。 そこに現れるシルバーの表情はとても荘厳で自然に溶け込むような雰囲気を持っています。
当店では数少ないコンテンポラリー(現代作家)のピースですが、トゥーファキャスト独特のある質感と、ポップなモチーフの生み出す印象はナチュラルに馴染みやすく、少しボリューム感がありますが性別を問わず多くのスタイルにフィットする作品です。
また、こちらのような作品は着用と経年によりその表情を変化させ、味わいを深めていきます。
◆着用サンプル画像(7枚)はこちら◆
新品・未使用品。 ハンドメイドによる造形ですので、僅かな制作上のムラ等が見られます。