【NAVAJO】ナバホのアンティーク作品で、素晴らしい【Lone Mountain Turquoise】 ローンマウンテンターコイズが印象的なアンティーク/ビンテージリングです。
また、作者は不明ながら内側には『Curved Arrow/Arching Arrow』のホールマークが刻印されており、【C. G. Wallace INDIAN TRADER】C.G.ウォレス インディアントレーダーに作品を供給した作家による作品と推測されます。
1930年代後半~1950年代頃に作られた作品と思われ、経年と使用感を感じさせる状態ですが、堅牢なシルバーワークによって仕上げられた作品のため、現在でも目立ったダメージは無く、風格があり素晴らしい魅力を持った作品です。
キャストかインゴットシルバー(銀塊)から成形されたシャンクにオーバルカットターコイズのフェイスがアップリケ/パッチワークされることで構成されており、サイドにはベゼルと一体化したコンチョが施されています。また、シャンクのサイドやコンチョパーツにはプリミティブなスタンプワークが刻まれており、ナバホジュエリーらしい表情を作り上げています。
セットされたターコイズは、大きさがあり全体に摩耗も見られますが、非常に美しくハイグレードにグレーディングできるオールドローンマウンテンターコイズがセットされています。
とても濃く透明感のある青に【Lander Blue】ランダーブルーを思わせるような強くタイトなスパイダーウェブが入り、ローンマウンテンらしい色味とウェブの特徴を持った石です。一部に見られるブラウンの母岩の表情も大変ワイルドで、とても複雑な景色を見せ、独特の深いブルーを湛える無添加ナチュラルのターコイズです。
経年と使用による摩耗がありますので、再研磨/リポリッシュも検討できますが、今も宝石としてのグレードと変色/劣化のない美しい色を湛えています。
【C. G. Wallace INDIAN TRADER/C. G. Wallace Trading Post】C.G.ウォレスインディアントレーダーは、【Charles Garrett Wallace】チャールズ・ガレット・ウォレスが、1928年にZUNI /ズ二のジュエリーを専門に扱うトレーダーとしてズニの町で創業し、非常に多くのズニジュエリー作家を支援しました。創業後すぐに、ナバホのシルバー彫金技術を必要として【Ike Wilson】アイク・ウィルソン(1901-1942)とその兄である【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン(1901-1976)、他にも【Billy Hoxie】ビリー・ホクシー、【Charles Begay】チャールズ・ビゲイ(1912-1998)等の一説には二十数人と言われるナバホ出身のシルバースミスが在籍していたと云われており、こちらの作者もその中の一人だと思われます。
こちらと同じ矢印の様なカーブドアローのホールマークを持つボックスやピンブローチ等、トラディショナルなナバホスタイルを踏襲した作品が幾つか見つかっています。また、彼らの様にズニの町でシルバースミスをしていたナバホの職人は、技術的にはナバホの伝統的な彫金技術を重視していたようですが、そのデザインスタイルやナバホジュエリーにはあまり見られない繊細な仕事はズニの影響を受けていると考えられます。
【Lone Mountain Turquoise】 ローンマウンテンターコイズは、ネバダ州のエスメラルダ郡にあり、北米4大ターコイズの一角です。長い歴史のある鉱山であり、1920年代後半から現在の『Lone Mountain』と言う名称になり、現在もわずかながら採掘されている鉱山です。
非常に硬度が高く、変色や劣化に強いターコイズとして知られ、採掘される原石はどんなに小さなものでもカットされ、そのほとんどがジュエリーに用いられました。 【Charles Loloma】チャールズ・ロロマや【Mark Chee】マーク・チー等も好んでジュエリーにしたターコイズです。
現在ではそのクオリティーと希少性からランダーブルーに次ぐ評価を受けており、こちらのようなサイズもある石はほとんど市場に出てきません。
アンティーク作品では非常に貴重なハイグレードのターコイズがセットされた作品で、長い年月を経ていまだその輝きを失っていません。 また、オールドナバホジュエリーらしくもボリュームがあり、秀逸なシルバーワークもプリミティブでクラシックな印象を作りあげており、非常にハイエンドな作品です。
さらに、アンティークインディアンジュエリーらしい武骨で粗野な技術による細かく繊細なシルバーワークと言う相反する要素は、どこか現代的でアーティーな魅力を宿しており、ビンテージらしい表情やシルバーの質感は、多くのスタイルにフィットするリングです。
ビンテージインディアンジュエリーの武骨さと、ハイグレードターコイズによる上質感を持ち、練り上げられた工芸品としても、現時点では作者が不明のホールマークも含め、歴史的な資料価値も高いハイエンドなピースです。
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コンディションは、経年・着用による摩耗が見られますが、目立ったダメージは無く着用に不安のない状態。
ターコイズも少しマットな質感になっていますが、クラックに見える部分は元々の天然石が持つものと思われます。また、硬度も感じられ現在も美しいきらめきを見せていますが、艶は失われており、前述の様に再研磨/リポリッシュも検討できます。