【Navajo】の【Tsos Allen Brown】ツォス・アレン・ブラウンによるオールドジュエリー、マルチストーンインレイにより端正なシームレス3Dキューブパターン/立方体柄が描き出された、グラフィカルなフェイスが美しいリングです。
この様なパターンは【Optical】や【Cubist Geometric】と呼ばれ、【GOYARD】ゴヤールを思わせるようなグラフィカルで現代的な印象ですが、ナバホラグにおいては1920年代以前から用いられており、古い時代から受け継がれる伝統的なパターンです。
作者についての詳細が不明の為、制作された時期を判断するのが困難となっていますが、同作者の制作している他作品やシルバーワーク、そのマテリアル等からは、1970年代後半~2000年代頃に作られた作品と推測されます。
キャスト成形されたシールリングタイプのシャンクをベースとしており、スクエア型のフェイスと共に心地よい重量感が与えられています。
そのスクエアシェイプのフェイスに合わせて、インレイワークによるフェイスが構成されています。
そのフェイスは丁寧で卓越した手仕事により、マザーオブパール/白蝶貝とターコイズ、そしてラピスラズリの3色のマテリアルを用いて美しいジオメトリックパターンが生み出されています。
天然の白蝶貝は見る角度で僅かに色が変わる変色効果を持ち、平面に描き出された立体的なキューブデザインにさらなる奥行きを与えているようです。
内側には『Tsos』の文字が確認でき【Tsos Allen Brown】ツォス・アレン・ブラウンの作品である事が確認できますが、作者のキャリア等は不明となっています。
【Inlay】インレイ/チャンネルインレイは、カットしたターコイズやシェルなどをシルバーにピッタリと嵌め込む螺鈿細工のような技術で、古くからズニ族が得意として発展させた技術ですが、現在においてはナバホのシルバースミスも用いる技法となっています。
ナバホのシルバー技術に次ぐ長い伝統のある技術であり、1920年代以降、現在に至るまで多く作られましたが、そのモチーフはサンダーバード、ナイフウイング、レインボーマン、サンフェイス等、とても多様なモチーフが見られます。
本作のようにネイティブアメリカンジュエリーにおける石をインレイすることで生み出される美しい色彩表現は、世界的に高く評価されており、グラフィカルな印象とハンドクラフト作品の素朴な魅力を感じることが出来ます。
また、インレイはズニジュエリーのイメージが強い技法となっていますが、ナバホラグの伝統的なパターンを構成しており、やはりどこかズニジュエリーとは異なるイメージを有し、作者の背景が反映された作品となっています。
伝統的な造形技法とクラシックなリングのフォルムは、多くのジュエリーとも相性が良く、そのボリューム感やスクエアフェイスの構築的な表情は男性の手においても程よい存在感を放ちます。
当店でご紹介している作品の中では比較的新しいピースとなりますが、類似作品の発見は不可能に近いと思われる、スペシャリティを持ったリングとなっています。
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コンディションは、シルバーの僅かなクスミや細かなキズ等、多少の使用感やハンドメイド作品特有の制作時のムラなどが見られますが、特に目立ったダメージなどの無いコンディションとなっています。