【Hopi】ホピの名工【Jason Takala】ジェイソン・タカラ氏(1955-)による作品。端正なオーバーレイ技法により、素朴で愛らしい印象のサンフェイスが描き出されたビンテージ/オールドネックレスです。
同作者らしい印象よりも、伯父であり師でもある【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤ(1935or36-2010)の作品を想起させる作品。キャッチーなモチーフや朴訥なデザインを、質実剛健なシルバーワークや丁寧な仕上げにより、ジュエリー作品としての品位まで与えたBernard Dawahoya作品の様な魅力を秘めたトップとなっています。
同氏の長いキャリアの中でいつ頃制作されたピースか正確に判断するのは困難ですが、デザインやカッティングのディテールなどの不確かな判断材料からはキャリア中期以前の1980年代~1990年代中頃までの作品と推測されます。
まだJason Takalaという作者の強いアイデンティティを感じさせるデザインではありませんが、既に完成されたオーバーレイ技法によって構成されており、現代のオーバーレイ作品に比べ、厚いシルバープレートをカッティングし、逆に少し薄いシルバープレートをベースにとした、古いホピ族のオーバーレイジュエリー独特の特徴を持ち、その厚いシルバーをカッティングしている事により深く強い陰影が生み出されています。
さらに、土台となっているシルバーには細かなテクスチャも刻まれることで複雑な表情が与えられていますが、それらのテクスチャがバースト(放射状)に刻まれる事で、サンフェイスのモチーフを強調しており、細部に対する作者の拘りを感じさせます。
また、ラウンドシェイプのトップ全体に僅かなドーム状のアールが施されています。この柔らかな曲面は目立たないディテールですが、さり気なくも効果的に上質感や立体的な迫力を与えています。
これも、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。
裏側には、同作者のホールマーク(Snow Cloud=雪雲)が刻まれています。
付属のシルバーチェーンは新しいものですが、スターリングシルバー(925)製で、独自にアンティーク加工を施しており、ビンテージジュエリーによく馴染む表情となっています。
【Sun Face】サンフェイスは、ホピ族を発祥とする精霊で、現在ではズニやナバホの作品においても多くみられるモチーフです。
農耕民族だったホピやプエブロの人々にとって太陽は非常に重要な存在で、絶対的な創造主であり、全ての生命を与えてくれると言う意味を持っています。
日本を含む世界中の太陽信仰と近い部分もありますが、さらに宇宙に存在している精霊達が地上の人々を太陽を通して見守っているとされています。
また、植物の成長を育む様子から成長や暖かさも象徴しています。
【Jason Takala】ジェイソン・タカラは、1955年にションゴポーヴィで生まれ、クラン(ホピ特有の氏族)は『Snow』、伯父にはホピの巨匠【Bernard Dawahoya】バーナード・ダワホヤ(1935or36-2010)というファミリーで育ちます。
高校生までの若い時期には絵画を学んだようで、シルバースミスとしては1976年から活動を始めたとされ、1980年代に妻の故郷であるオライビに移ってから本格的にジュエラーとしてのキャリアをスタートさせました。
Man In The Maze/マンインザメイズをモチーフとした作品等、同氏を代表するデザインも多数存在し、アワード・コンテストでの受賞歴も多数を誇ります。
ホピの伝承や価値観等が織り込まれたJason Takalaの作品群は、アメリカ国内外を問わず高い評価を受けており、その技術や思想は、ご子息を始めとする次世代に受け継がれています。
【Overlay】オーバーレイと言う技法は、シルバーの板に描いたデザインを切り抜き、下地のシルバーの上に貼り付けることで立体的に絵柄を浮き出させる技法です。スタンプワークやカッティングと組み合わされた作品も見られ、完成度を高められたオーバーレイ技法を用いた美しいホピのジュエリーは、現代に至るまでに多くの傑作を残しています。
1930年代にホピの大家【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)によって生み出された技術ですが、その黎明期にはホピ以外のナバホ・プエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として色々な作品が作られていました。
1940年代~1950年代にかけて本作と同じ工房で彫金を指導した【Harry Sakyesva】ハリー・サキイェスヴァ(1922-1969?)や、同い年の作家【Allen Pooyouma】アレン・プーユウマ(1922-2014)、そして【Victor Coochwytewa】ヴィクター・クーチュワイテワ(1922-2011)等により、ホピの代表的なスタイルの一つとして定着させられました。
オーバーレイ技術の定着以前にも、オーバーレイと近い造形を生み出すような大きく大胆で細かな刻みを持たないスタンプ(鏨)がホピの作家によって制作されていました。
しかし、スタンプ(刻印)というデザインやサイズが固定されてしまう技術から解放し、もっと自由な図案を具現化できる技術・技法として生み出されたのではないかと考えられます。
また、現在ではホピの伝統的な技術として認知されているオーバーレイ技法ですが、1960年代以前の黎明期においては、ホピ以外のナバホ・プエブロのシルバースミスにも新しい表現方法として多様な作品が作られていました。
本作も作者の確かなオーバーレイ技術、カッティングの美しさが体感できるピースとなってり、細部だけでも作者の卓越した技術力を垣間見ることが出来ます。
また、作者のオリジナリティよりもホピジュエリーの伝統的なモチーフや技術が楽しめるトップであり、控えめなボリューム感の小さな作品でありながら、しっかりとした深い彫りによる強い陰影を持ち、独特の上質感が感じられます。
ホピを代表するSun Face/サンフェイスモチーフは、愛らしくキャッチーな印象を持ちながら、実直で高い完成度を誇るシルバーワークによって、素朴でナチュラルな表情とクリーンで洗練された品位を兼ね備えており、性別や季節を問わず取り入れて頂きやすいネックレス。オーセンティックなラウンドシェイプを基調とし、使いやすいサイズ感も含め多くのコーディネイトに馴染みやすい作品です。
【Jason Takala】ジェイソン・タカラという作者を含め、現在ではとてもコレクタブルでトレジャーハントプライスなピースとなっています。
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コンディションも良好です。
シルバーのクスミや細かなキズ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、特に目立ったダメージのない状態を保っています。
シルバーチェーンはアンティーク加工済みですが、新品・未使用の新しいチェーンとなります。