【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、オーセンティックで美しいシルバーワークをベースに、レクタングラー/長方形型のカットによってクラシックな印象を持つジェムクオリティターコイズがマウントされた大変貴重なアンティーク/ビンテージリングとなっています。
そのターコイズは、濃いブルーから澄んだ水色のグラデーションを基調として、肉眼ではウェブ状のマトリックスの確認が困難な程に細かなマトリックスが入り、独特な表情を持つ素晴らしい質を持っており、正確な鉱山は不明ながらその色相やマトリックスの特徴、本作の制作された年代等から、ネバダ州で産出されたターコイズである事が推測されます。
1940年代~1950年代に作られた作品と推測されますが、正確な制作時期を推定する判断材料に乏しく、可能性としては1930年代後半~1960年代頃まで考えられる作品です。
クラシックでオーセンティックな造形・デザインですが、レクタングラー/スクエアシェイプのターコイズがマウントされた作品は、ブレスレットでもリングにおいてもオーバルカットの石に比べて極端に少なく、希少な存在となっています。
おそらくインゴットシルバー(銀塊)から成形されたシャンクは、フロントが3本にスプリットされた『スプリットシャンク』と呼ばれるオーセンティックな造形によって、サイドからスクエアシェイプのターコイズで構成されたフェイスに自然な流れを作り出しています。
また、タイトなスパイダーウェブを持つワイルドなターコイズを最大限に活かしたとてもシンプルなシルバーワークで構成されています。
石を留めるベゼル(覆輪)の外側には、2本のシルバーワイヤーを撚り合わせたものではなく、単独のスクエアワイヤーを捻ることで作り出すツイステッドワイヤーが施され、ミニマムな造形にエッジーでさり気ないアクセントが与えられています。
さらに、その両サイドにはスタンプワークによってバーストデザインが刻まれたパーツがアップリケされており、石の美しさを際立たせながら、リングとしても美しい造形美を生み出しています。
全てのディテールがナバホジュエリーのオーセンティックなシルバーワークとデザインによって構成されたシンプルな造形のリングですが、石のクオリティのみでなく、アンティークの迫力や独特な上質感を帯びたハイエンドな作品です。
また、残念ながら作者は不明となっていますが、トラディショナルで洗練されたデザイン/造形スタイルやサイドに刻まれたスタンプ(鏨)等のディテールからは、ナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)等を思わせ、確かな技術力を持ったシルバースミスによる作品であることが判ります。
セットされたターコイズは、前述のように非常にタイトなブラックスパイダーウェブが特徴的で、ブルーの濃淡による柔らかなグラデーションを持ち、その色相やマトリックスの特徴等から【Burnham/Godber Turquoise】バーナム/ガドバーターコイズや【Number Eight Turquoise】ナンバーエイトターコイズ、【Lone Mountain Turquoise】ローンマウンテンターコイズ等が想起され、正確な鉱山の特定はできませんがネバダ州で産出したターコイズと思われます。
これほどに細かなウェブが入る場合、マトリックスのトーンが弱い事が多くなりますが、こちらの石は大変コントラストの強いブラックウェブが特徴的であり、宝石としての価値を持つジェムクオリティの無添加ナチュラルターコイズです。
本作は上記のようにアンティーク作品では非常に貴重なジェムクオリティターコイズがセットされた作品であり、上質なターコイズと作者の技術力を伺わせる高い完成度により、クラシックでエレガントな魅力も宿しています。
また、美しいターコイズとシンプルでミニマルなシルバーワークは、ビンテージジュエリーでありながら洗練された完成度と現代的な印象をもたらしています。
そして、レクタングラーシェイプにカットされたターコイズによってクラシックでエレガントな印象も併せ持つ作品となっており、ビンテージスタイルとの相性はもちろん素晴らしいリングですが、ナチュラルで豊かな表情と普遍的な造形美はスタイルを問わずコーディネイトに取り入れやすいリング。
さらには、日常のコーディネイトに高揚感をも与えるアクセントとなり得、非日常の装いやフォーマルなシーンでも品格を損なわず、普遍的な造形美は性別を問わずにフィットすると思われます。
素朴ながらタフでワイルドな力強さが宿るリングであり、ハンドメイドナバホジュエリーの魅力と、複雑な景色を持つターコイズが織り成す、小さくも深淵な世界が広がるジュエリー作品。現在では、本作の様なアンティークピースは非常にコレクタブルで貴重となっています。
◆着用サンプル画像はこちら◆
コンディションは、経年と着用によりエッジの摩耗やハンドメイド作品特有の制作上のムラ等がありますが、特に目立ったダメージはなく着用に不安の無い状態を保っています。
またシャンク内側部分には、サイズお直しの跡と思われるロウ付けの痕跡があり、いつ頃か不明ですがリサイズされています。
ターコイズも良好なコンディションとなっています。
経年によりマトリックス部分の凹凸(マトリックスロス)等が見られますが、こちらも目立ったダメージは有りません。