【NAVAJO】ナバホか【PUEBLO】プエブロの職人によるアンティークジュエリー、アローとラトルスネーク(ガラガラ蛇)が立体的に絡み合ったデザインが大変秀逸なアンティーク/ビンテージピンブローチです。

【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる、20世紀前半のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせて作られたスーベニアアイテムの一つであり、小さいサイズとバー(棒型)形状も魅力的なピースとなっています。


1930年代～1940年代前半頃に作られた作品と思われ、シンプルで小さいサイズながらも細部にもこだわったシルバーワークによって形作られています。

オーセンティックなアローシェイプをベースとし、躍動的な動きのあるラトルスネークが立体的に絡み付く造形となっており、3次元的な奥行きとさり気なくも存在感を示すスネーク/蛇が大変魅力的です。

スタンプワークによってアローとスネークの細部が描き出され、繊細なディテールにもこだわりが見られ、蛇モチーフながらキャッチーでどこか可愛い印象に仕上げられています。


また本作の特徴として、アローとスネークを接合しているロウ付けにあたり、現代のシルバーワークでは基本となっている『銀ロウ』(少し銀含有率が低く、地金よりも低温で融解する素材)を使用せず、作品自体を形作る地金の銀そのものを小さく薄く加工して溶接材(銀ロウ)としています。
その為、アローヘッドのエッジ部分等、細く造形された細部はロウ付けする際の熱によって少し融解してしまった跡が確認できます。



【Rattlesnake】ガラガラヘビ/ラトルスネークは、インディアンにとって神聖な存在として、特にプエブロインディアンの間で古くからジュエリーやポッテリー等、色々な作品に用いられました。
ジュエリーにおいてはナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やアコマの伝説的な作家【Clyde Hunt/Chief Sunny Skies】クライド・ハント(1900-1972)等が素晴らしいスネークモチーフの作品を残しており、それらのデザイン・スタイルが後世に受け継がれています。

当店のロゴにも登場するモチーフであり、脱皮して成長していく姿から、<挑戦><革命><知恵> 等を象徴するシンボルとされています。



アローとスネークというモチーフやそのデザインによってツーリストジュエリー特有のキャッチーな印象と共に、丁寧なシルバーワークによる上質なアンティーク感も備えた作品です。

また本作のようなピンは、アウターのアクセントととして、ラペルや襟等にもフィットしますし、独特な細長いのシェイプも多くのアイテムにフィットさせやすく、ハットやキャップ等のワンポイントにも大変使い勝手の良いピースです。


ツーリストアイテムながら丁寧に作られた作品であり、アンティーク工芸品としても魅力的なピースに仕上げられ、落ち着いた質感や表情はチープな印象を作らず大人向けのアイテムとなっています。


また、スネーク/蛇をモチーフにしたピースはサンダーバードなどに比べ珍しく、クラシックでバランスの良いシェイプと、センス良く仕上げられたデザイン/造形には作者の創造性や技巧が感じられます。
アンティークインディアンジュエリー独特の味わいを持つ秀作であり、ツーリストジュエリーのキラーピースとなっています。

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コンディションも大変良好です。
シルバーは多少のクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等が見られますが、使用感はほとんど感じられずとても良好な状態を保っています。