【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、サンドキャストによって形作られたとてもシンプルな作品で、1900年代~1920年代に多く制作されたスタイルであり、通称『FlatTop/フラットトップ』と呼ばれる独特なシェイプの造形美が素晴らしいビンテージ/オールドバングルです。
本作の様なサンドキャスト(砂型鋳物)及びトゥーファキャストによるシルバーの成形は、ナバホジュエリーでも古典期と呼ばれる創成期からみられる技術の一つであり、長い歴史を持っています。そして、その当時から完成された技術/技法は現在に至るまで大きな変化なく受け継がれており、キャスト製法以外で作られた作品に比べて制作年代の判断を困難にしています。不確かな判断材料としては、量産化/パターン化されたデザインであるか、内側の処理・仕上げ、シルバー自体の厚みと重量や質などが目安となります。
こちらの場合にも、類似した作品の無いオリジナリティや、内側の美しい研磨、ホールマークや素材を表す刻印が刻まれていない等、不確定な判断材料から1960年代~1990年代に制作された作品であることが推測されますが、推測の域を出ない考察となります。
本作のスペシャリティとなっているフラットトップと呼ばれるデザイン造形も、量産向けにパターン化されて多く制作された『型』によるキャスト成形ではなく、作者のオリジナリティーと高い技術を感じさせます。さらに、大変丁寧に仕上げ工程が施されており、多くのサンドキャストに見られる独特の細かな凹凸のある質感が、表裏ともに削り磨くことでなめらかなでスムースな肌に仕上げられており、現代作品に比べ多くの手間と時間が費やされています。
また、細い幅でありながら30gを超える重量を持ち、シンプルながらとても立体的な造形/デザインとなっています。サイド~ターミナル(両端)にかけては、アローヘッドを連続して並べた様な独特な立体造形が施され、フロント部分はフラットなシェイプに造形されたデザイン。他にもサイド~ターミナルがハーフラウンドやトライアングル型等の断面に造形され、フロント部分に長方形の長いパネルが作られた造形スタイルの作品を総称して『フラットトップ』と呼ばれています。このような立体物として美しくとても手の込んだ造形は、特にアンティークインディアンジュエリーディーラーの間で人気が高く、市場に出ないアイテムとなっています。本作は、それらを踏襲したデザインをサンドキャストによって蘇らせたブレスレットであり、強い特殊性は感じませんが、さり気なくも素晴らしい造形センスによって形作られた作品です。
また、細いバンドをベースとしていますが、厚みと奥行きのある重厚な造りとシンプルでクリーンなデザインは汎用性が高く、スタイルやシーンを問わずよく馴染むと思われます。
さらに、他のブレスレットとの重ね付けにも向いた作品ですが、単独でもしっかりとした存在感を示し、その普遍的な造形美により長くご愛用いただける印象です。
洗練された立体造形は、プリミティブでエッジーな印象を生み出しており、1960年代以降の作品ですが、コレクタブルでトレジャーハントプライスな作品となっています。
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コンディションも大変良好です。シルバーの僅かなクスミや小傷等がみられますが使用感を感じない、とても良い状態を保っています。