【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテム(土産物)の一つ。クラシックなシガーバンドのシェイプをベースに、愛らしい印象のサンダーバードアップリケが施されたデザインのバランスが秀逸で希少なメンズサイズのアンティーク/ビンテージリングです。
1940年代~1960年代製と思われるピースで、ツーリストジュエリーを代表するサンダーバードモチーフのアップリケがメインとなったリング。センターが広く内側が細い『シガーバンド』と呼ばれるシェイプを基調としたオーセンティックなシャンクに、美しいバランスで翼を広げたサンダーバードがアップリケされています。
キャッチーでどこか可愛いサンダーバードの中央には、シェルコンチョをモチーフとしたリポウズ/バンプアウトが施されており、立体的でリング全体のアクセントとしても存在感のあるディテールとなっています。また、上下のエッジも独特のカッティングとなっており、造形に動きを与えているようです。さらに、サンダーバードの細部を描き出す以外にも、さり気なく効果的なスタンプワークが刻まれることで、リングに奥行きとナバホジュエリーらしい表情が付加されています。また、クラシックなシガーバンドリングのシェイプは、フロント部分がワイドな幅に構成されることでとても良いボリューム感を生み、程よい存在感と共に指に良く馴染む印象を作っています。
一部には機械が用いられているためマシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースであり、ツーリスト向けのジュエリーながら、現存数は非常に少なく大変貴重なものとなっています。
【Cigar Band Ring】シガーバンドリングは、インディアンジュエリーに限らずセンターが広く内側が細いシャンクの造形を持ったリングの俗称です。語源については、葉巻に巻かれている帯が元となっています。現在ではブランドが確認できるデザインが描かれていますが、もともとは手袋や手に葉巻によるシミが付くことを防ぐ為に考案された帯です。その帯と形状が似ていることから同スタイルのリングが『シガーバンドリング』と呼ばれるようになりました。
【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。
実在しない為にその容姿は作者の意匠に委ねられており、イーグルの様な威厳のある姿から、小鳥の様な可愛いデザインまで幅広く表現されているのも魅力の一つとなっています。
またこちらのようなアイテムは、その造形スタイルやディテール等から1923年に創業され、多くのナバホやプエブロの職人が所属した有名工房【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズインディアントレーディングポストや、1935年創業の【BELL TRADING POST】ベルトレーディングポストで制作されたものと推測されますが、ショップマークやホールマークは入らず詳細は不明となっています。
ツーリストジュエリーらしいキャッチーなアイテムながら、非常にバランスの良い秀逸なデザインとなっており、シェイプやボリューム感等を含め、ナチュラルに指に馴染みやすいリング。可愛いサンダーバードモチーフも、そのアンティークの質感によって大人向けのアイテムに昇華されています。
また、アイコニックなサンダーバードの印象は、男性向けのアクセサリーには重要な要素である『ギャップ』と『遊び心』を与えてくれるアイテムであり、さり気なくスタイルに奥行きをもたらすことが出来るビンテージリングです。
クラシックでバランスの良いシェイプと、センス良く仕上げられたデザイン/造形のリング。アンティークインディアンジュエリー独特の味わいが感じられるツーリストジュエリーの中でも大変希少なメンズサイズであり、キラーピースとなっています。
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コンディションも大変良好です。シルバーには多少のクスミ等がありますが、使用感は殆ど感じられずダメージの無い良好な状態を保っています。