【ZUNI】ズ二のビンテージジュエリー、華奢なボリューム感ながら繊細で手の込んだシルバーワークが特徴的なリング。菱形/ランバスシェイプのターコイズインレイを巧みに構成する事で洗練されたデザインのフェイスが生み出された作品。エスニシティな魅力と現代的な造形美により、性別を問わずお使い頂ける印象のビンテージ/オールドジュエリーです。

1960年代後半～1980年代頃に作られた作品と思われ、量産に向いたキャスト(型を使った鋳物)ではなく、地金製法で丁寧に形作られた作品。細いハーフラウンドワイヤーのシャンクをベースに、インレイのフェイスがアップリケされる事で形作られたリングとなっています。
ターコイズをインレイする菱形の格子は、全て手作業によって作り上げられています。それらは立体として構築する為、緻密で計算と正確な仕事が両立しなければ構造が破綻してしまう為、とても高いシルバーワークの技術を必要とします。また、中央がブランク(空白)となっている為、肌が透ける造形となっており、作者の高い造形センスをうかがわせます。さらに、その上下には小さなシルバーボールが配されており、これは装飾だけでなく構造的な強度を高める事もその目的となっているようです。

インレイされたターコイズは、鉱山などは不明ですがビンテージ作品特有の表情を持った石です。長い経年により一部に変色が見られ、色相に差のあるマルチカラーとなっていますが、それがアンティークインディアンジュエリー独特のナチュラルな質感と、アーシーな魅力を生み出しているようにも感じられます。


【Inlay】インレイ/チャンネルインレイは、古くからズニ族が得意として発展させた技術であり、カットしたターコイズやシェルなどをシルバーにピッタリと嵌め込む螺鈿細工のような技術です。 ナバホのシルバー技術に次ぐ長い伝統のある技術であり、1920年代以降、現在に至るまで多く作られましたが、そのモチーフはサンダーバード、ナイフウイング、レインボーマン、サンフェイス等、とても多様なモチーフが見られます。【C. G. Wallace INDIAN TRADER】C.G.ウォレスインディアントレーダー等有力なトレーダーの元では、ナバホのシルバースミスがシルバーワークを担当し、そこにズニのシルバースミスがインレイワークを施した共作品なども作られてます。
また、現在ではインレイ技法で制作される多くのジュエリーがキャストによる量産品(量産されたシルバーに石をはめ込むだけ)となってしまいましたが、こちらはシルバー部分を含めてすべてがハンドメイドで成形されています。


本作のように石をインレイすることで生まれる美しい色彩感覚やグラフィカルな構成は世界的に高く評価されており、ズニジュエリー独特の印象と共にハンドクラフト品の素朴な魅力も感じることが出来ます。
また、繊細なシルバーワークと表情豊かなターコイズによって生み出される、ビンテージズニジュエリー独特の可憐な美しさは女性に向いた印象を持ちますが、本作のモダンなデザインやサイズ感は、男性にも向いたリングとなっています。
ターコイズもインレイによって リングを形作るシルバーと一体化していることにより、とてもシックで抑えた印象が作られています。そして、その上質感と強すぎない存在感により、スタイルやシーンを選ばない高い汎用性を示します。

オーセンティックなディテールで構成された作品ですが、リングとしてのデザインは独創性を持ち、類似作品を見つけるのが難しくトレジャーハントプライスなキラーピースとなっています。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、全体に細かなキズやハンドメイド特有の制作上のムラなどはありますが、目立ったダメージは無く良好なコンディションです。また、ターコイズは変色によってマルチカラーとなっていますが、ガタツキなどは無く着用には不安のない状態です。