ITEM CODE:
JRF006453

Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~

Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
38,500 円(税込)
38,500 円(税込)
Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
  • Antique Navajo Stamped T-bird Face Ingot Silver Ring c.1930~
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された事が判断可能な作品。また、その制作元によりコインシルバーのインゴット(銀塊)から成形された事が推定可能となっています。
サンダーバードがフェイスに構成された同工房らしいデザインで、アロー等のスタンプワークも施された愛らしく素朴なアンティーク/ビンテージリングです。

20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作された【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるスーベニアアイテム(土産物)の一つ。しかしながら全ての工程がハンドメイドによって仕上げられており、使用されているアローのスタンプ(鏨)ツールデザインによって、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された物と判断できる作品です。

1930年代~1940年代頃のピースと思われ、同社の作品の中でも【Slug Silver/スラッグシルバー】(小さな銀塊)と呼ばれていたインゴットコインシルバー(銀塊)から成形された地金をベースに造形されたリングと思われます。原始的な技法で形作られた作品であり、ナバホジュエリーらしい武骨な印象とどこか愛らしい雰囲気も帯びた作品となっています。
シャンクはフロントが割り開かれた『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形で2本に割り開かれており、サンダーバードのアップリケ/パッチワークでフェイスが構成されています。そこにスタンプワークが刻まれる事によってサンダーバードの顔や翼等、細部を描き出しており、中央にはリポウズ/バンプアウトにより立体的なアールが施されています。これは、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。さらに、そのサイドにもアローのスタンプが刻まれており、ビンテージインディアンジュエリーらしい表情豊かなリングに仕上がっています。


【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは、限界の無い幸福を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。


【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】(以下SWAC)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業し、その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。 雇われていたアーティストは、非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多いのも特徴と言えます。 それは、【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、非常に優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。
そのため、当時からSWACの作品は大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。 しかし、その歴史は平坦でなかったようです。

SWACでは、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれるBELLやMaisel's等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。
そこで、復権のために導入されたのが『S』の刻印が意味する【Slug Silver】です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。
本作の場合には『S』の刻印がない為、明確には出来ませんが、インゴットシルバーから形作られた作品であり、おそらくSlug Silver/スラッグシルバーから作り上げられたピースと推測できます。

現在、【Fred Harvey Style】は明確な定義がなく、Fred Harvey Companyもレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。 そのため、こちらのSWACやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニアビジネス」・「ツーリストジュエリー」と言う意味では量産化した工房のBELLやMaisel'sと同様です。
ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやBELL、Maisel's、Silver Arrowの分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドによりすべて手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの作品群(マスプロ)とは一線を画しています。

また、もう一つのSWACの特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。そのため、SWACが供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。

さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。現在では日本の老舗アパレルである東洋エンタープライズ社が実名復刻をされておられます。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで圧力をかけて伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやワイヤーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。 また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。
同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。
シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。
さらに古い1800年代後半頃の作品では、メキシカンコインが多く含まれていたためか、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっているようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。


本作もおそらくスラッグシルバーから成形された作品であり、小さいサイズながらナバホジュエリーの伝統が詰め込まれたシルバーワークとハンドメイドらしい重厚感が味わえるピースです。
また、フェイスのサンダーバードがキャッチーでアイコニックな造形ですが、ビンテージインディアンジュエリーらしいエスニシティな魅力により、大人向けのアイテムに昇華されていると思います。また、シルバーのみで構成されたソリッドな質感や力強くシンプルな表情は多くのスタイルに馴染みやすく、日常に取り入れて頂きやすいリングと思われます。

さらに、アイコニックなサンダーバードの印象は、男性向けのアクセサリーには重要な要素である『ギャップ』と『遊び心』を与えてくれるアイテムであり、さり気なくスタイルに奥行きをもたらすことが出来るビンテージリングです。

インディアンジュエリー史の中でも重要な役割を担っていた【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】と、その時代の作品群の歴史を紐解く上でも史料価値の高いコレクタブルなアンティークジュエリーの一つとなっています。

◆着用サンプル画像(8枚)はこちら◆


コンディションも大変良好です。シルバーのクスミやハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感の少ないとても良好な状態です。
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された事が判断可能な作品。また、その制作元によりコインシルバーのインゴット(銀塊)から成形された事が推定可能となっています。
サンダーバードがフェイスに構成された同工房らしいデザインで、アロー等のスタンプワークも施された愛らしく素朴なアンティーク/ビンテージリングです。

20世紀前半頃にアメリカ中西部の観光客向けに制作された【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれるスーベニアアイテム(土産物)の一つ。しかしながら全ての工程がハンドメイドによって仕上げられており、使用されているアローのスタンプ(鏨)ツールデザインによって、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された物と判断できる作品です。

1930年代~1940年代頃のピースと思われ、同社の作品の中でも【Slug Silver/スラッグシルバー】(小さな銀塊)と呼ばれていたインゴットコインシルバー(銀塊)から成形された地金をベースに造形されたリングと思われます。原始的な技法で形作られた作品であり、ナバホジュエリーらしい武骨な印象とどこか愛らしい雰囲気も帯びた作品となっています。
シャンクはフロントが割り開かれた『スプリットシャンク』と呼ばれる伝統的な造形で2本に割り開かれており、サンダーバードのアップリケ/パッチワークでフェイスが構成されています。そこにスタンプワークが刻まれる事によってサンダーバードの顔や翼等、細部を描き出しており、中央にはリポウズ/バンプアウトにより立体的なアールが施されています。これは、木(丸太)やレッド(鉛の塊)に施された凹みに、地金となるシルバーをハンマーで叩き沿わせることによってドーム状の膨らみを作り上げており、非常に細かく何度もタガネで叩き沿わせる高度なハンマーワークで成形されています。さらに、そのサイドにもアローのスタンプが刻まれており、ビンテージインディアンジュエリーらしい表情豊かなリングに仕上がっています。


【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。 ジュエリーでは、限界の無い幸福を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。


【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】(以下SWAC)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業し、その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。 雇われていたアーティストは、非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多いのも特徴と言えます。 それは、【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、非常に優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。
そのため、当時からSWACの作品は大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。 しかし、その歴史は平坦でなかったようです。

SWACでは、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれるBELLやMaisel's等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。
そこで、復権のために導入されたのが『S』の刻印が意味する【Slug Silver】です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。
本作の場合には『S』の刻印がない為、明確には出来ませんが、インゴットシルバーから形作られた作品であり、おそらくSlug Silver/スラッグシルバーから作り上げられたピースと推測できます。

現在、【Fred Harvey Style】は明確な定義がなく、Fred Harvey Companyもレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。 そのため、こちらのSWACやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニアビジネス」・「ツーリストジュエリー」と言う意味では量産化した工房のBELLやMaisel'sと同様です。
ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやBELL、Maisel's、Silver Arrowの分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドによりすべて手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの作品群(マスプロ)とは一線を画しています。

また、もう一つのSWACの特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。そのため、SWACが供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。

さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。現在では日本の老舗アパレルである東洋エンタープライズ社が実名復刻をされておられます。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで圧力をかけて伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやワイヤーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


【Coin Silver】コインシルバーとは、インディアンジュエリーにおいては銀含有率90.0%の地金を表します。 また、アメリカの古い硬貨における銀含有率は900ですが、日本では800~900や古い100円硬貨では600、メキシカンコインは950であり、900シルバーが最も多く使われていますが世界中で共通した純度ではありません。
同様に【Sterling Silver】スターリングシルバー=【925シルバー】は、銀含有率92.5%の地金であり、こちらは世界中で共通の基準となっています。また『割金』と呼ばれる残りシルバー以外の7.5%には、銅やアルミニウム等が含まれています。(現在では、スターリングシルバーの割金は7.5%全てが銅と決められています) 925シルバーは熱処理によって時効硬化性をもち、細かな細工や加工に向いていたため食器や宝飾品等様々な物に利用されていますが、インディアンジュエリーにおいては、その初期に身近にあった銀製品、特にシルバーコインを溶かすことで、材料を得ていた背景があるため、現代でも限られた作家によりコインシルバーを用いる伝統が残されています。
シルバーの色味や質感は、『割金』や製法にも左右され、コインシルバー900とスターリングシルバー925の差異は純度2.5%の違いしかない為、見た目で判断するのは困難ですが、やはりコインシルバーは少し硬く、着用によってシルバー本来の肌が現れた時に、スターリングシルバーよりも深く沈んだ色味が感じられると思います。
さらに古い1800年代後半頃の作品では、メキシカンコインが多く含まれていたためか、そのシルバーの純度は95.0%に近くなっているようですが、身近な銀製品を混ぜて溶かしていた歴史を考えると純度に対してそれほど強い拘りはなかったことが推測されます。


本作もおそらくスラッグシルバーから成形された作品であり、小さいサイズながらナバホジュエリーの伝統が詰め込まれたシルバーワークとハンドメイドらしい重厚感が味わえるピースです。
また、フェイスのサンダーバードがキャッチーでアイコニックな造形ですが、ビンテージインディアンジュエリーらしいエスニシティな魅力により、大人向けのアイテムに昇華されていると思います。また、シルバーのみで構成されたソリッドな質感や力強くシンプルな表情は多くのスタイルに馴染みやすく、日常に取り入れて頂きやすいリングと思われます。

さらに、アイコニックなサンダーバードの印象は、男性向けのアクセサリーには重要な要素である『ギャップ』と『遊び心』を与えてくれるアイテムであり、さり気なくスタイルに奥行きをもたらすことが出来るビンテージリングです。

インディアンジュエリー史の中でも重要な役割を担っていた【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】と、その時代の作品群の歴史を紐解く上でも史料価値の高いコレクタブルなアンティークジュエリーの一つとなっています。

◆着用サンプル画像(8枚)はこちら◆


コンディションも大変良好です。シルバーのクスミやハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感の少ないとても良好な状態です。
Size

日本規格 約 11.5号   円周 約 51.5㎜   us 6
正面幅 約 23.2㎜

Material

Slug Silver(Ingot Coin Silver)