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JBO005761

Attr. to【NAVAJO GUILD】Atq Stamped Ingot Silver Cuff c.1940~

【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、非常に優れた造形センスと技術力を感じさせるチェイシングやスタンプワークで構成された作品。ホールマーク(作者や工房のサイン)は刻印されていませんが、シルバーワークのディテールや使用されているスタンプ/鏨から【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)=通称『ナバホギルド』で制作された物と推定されるアンティーク/ビンテージバングルです。

The Navajo Arts & Crafts Guild/ナバホギルドは、多くの傑作を残している組織であり、本作はナバホギルドの象徴である【Horned Moon】と呼ばれるホールマークを使用し始めるより前に作られたピースである可能性が非常に高い作品です。
具体的にナバホギルドで作られたことを示すディテールとしては、ターミナル(両端)部分に備えられた、ワイヤー断面に対して垂直方向にロウ付けされた小さなシルバーパーツがその一つです。ワンピースのバンドで構成された本作において、このようなタブは構造上不可欠なパーツではありません。しかしながら、このようなディテールは、バングルの摩耗を防ぐ事を目的として、ナバホギルドの代表を務めた【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)によって完成された技術とされており、同組織の作品に共通したシルバーワークとなっています。

さらに、使用されているスタンプ(鏨)ツールからもナバホギルドで作られたことが推測可能で、その美しい文様を構成するスタンプワークのデザインからは、同組織に所属した多くのシルバースミスの中でもナバホの巨匠【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイ(1913?-1977)が強く想起されます。多数の卓越した技術を持ったシルバースミスが所属した工房であり、作者個人の特定は不可能ですが、本作の作られた時代にはKenneth Begayもナバホギルドに所属しており、同作者による作品である可能性にも思い至るブレスレットとなっています。

1940年代~1950年代初頭頃の作品と思われ、インゴットシルバー(銀塊)から成形されたバンド/地金をベースとし、そこに『Chasing/チェイシング』と呼ばれる鏨を使いシルバーに立体的な角度を付ける(彫刻の様なイメージ)技術、さらに『ファイルワーク』というヤスリで削る原始的な技法を駆使しすることで、立体的な凹凸のラインが形成されています。特にバンドの中央部分に作られたライン状の凹凸は、ハーフラウンドワイヤーを張り付けたかのような美しい曲面に造形されており、作者の素晴らしい技術力を垣間見ることが出来ます。さらに、それらのライン間には素朴なスタンプワークが刻まれており、プリミティブなスタンプ(鏨)を使用したスタンプワークでありながら、そこに生み出されている文様は、非常にモダンで洗練された印象となっています。また、この素晴らしいデザインセンスを感じさせるスタンプワークの構成により、力強いナバホらしさとシンプルながらグラフィカルな表情と程よい存在感が与えられているようです。
シンプルでミニマムなデザイン/造形を作り上げる緻密なシルバーワークには、完成度に起因する無機質な表情も感じますが、それと同時に作者の熱量や信念さえも宿しているように感じられ、現在においても洗練された印象を与える作品となっています。

またこれらのディテールは、ナバホギルドらしい伝統的な製法やデザインを重視し制作されたピースであることを表しており、プリミティブで伝統的な技術によって作り上げられていますが、シンプルでセンスを感じさせるクリーンなデザインにより、当時モダンスタイルと呼ばれた美しさを持っています。
現代では、ナバホのトップアーティストである【McKee Platero】マッキー・プラテロ氏等が、こちらの作品のようなAmbrose Roanhorseやナバホギルドが生み出した「古典作品(技術)をベースにモダンで完成されたジュエリー」と云う理念の影響を強く受けていると思われます。特に初期のMcKee Platero氏の作品では、こちらと同じようなシンプルで簡潔なスタンプワークとファイルワークのみで構成されたピースが散見されます。
それらをベースにさらに自身の思想や美意識を反映させ、高い次元へと作品を昇華させたマッキー・プラテロ氏は、日本の伝統継承で云う『守・破・離』を体現し、伝統工芸品であるナバホジュエリーをアートピースに押し上げています。


【The Navajo Arts & Crafts Guild】(NACG)※以下ナバホギルドは【U.S.NAVAJO】/【Indian Arts & Crafts Board】や【The United Indian Trader’s Association】(UITA)等と同様にインディアンアートの普及やクオリティーの保全、職人の地位向上等のために現地トレーディングポストや作家たちの手によって組織されました。
中でもナバホギルドは、UITA等に比べナバホの職人主導で組織された団体で、前述の巨匠Ambrose Roanhorse/アンブローズ・ローアンホースが代表を務め、後進の育成や伝統的な技術の伝承、インディアンジュエリーのさらなる普及などを目的に1941年にギルドとして発足しました。明確にはなっていませんが、U.S.NAVAJO/Indian Arts & Crafts Boardが1937年~1940年代の初め頃までしか見られないのも、どちらの組織においても重要な役割を担っていたAmbrose Roanhorseが、Navajo Guild/The Navajo Arts & Crafts Guildに注力したためではないかと考えられます。
ナバホギルドによる作品のスタイルは特徴的で、Ambrose Roanhorseの意図が強く働いた影響のためか、インゴットから作られたベースに、クリーンで構築的なスタンプワークをメインとしたデザインと、昔ながらのキャストワークによるピースが多く、どちらも回顧主義的なオールドスタイルでありながら、洗練された美しい作品が多く制作されました。

また、もう一つの特徴はその構成メンバーです。当時から有名で最高の技術を究めた作家が名を連ねています。
【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイ、【Mark Chee】マーク・チー、【Austin Wilson】オースティン・ウィルソン、【Allan Kee】アレン・キー、【Ivan Kee】アイバン・キー、【Jack Adakai】ジャック・アダカイ、【Billy Goodluck】ビリー・グッドラック等、さらに、Ambrose Roanhorseの教え子の一人であるホピ族の【Louis Lomay】ルイス・ロメイもナバホギルドのメンバーだったようです。
さらに特筆すべきは、これだけ有名作家が揃っていながら【NAVAJO GUILD】のジュエリーとして制作されるものは、個人のホールマーク(署名/サイン)が認められていませんでした。そのため、1941年の発足から1940年代の半ばごろまでは、まったくホールマークなどが記載されていないか、1943年までは『U.S.NAVAJO 70』が用いられています。
その後、1943年に【Horned Moon】と呼ばれる空を司る精霊がモチーフがナバホギルドの象徴として商標登録されており、諸説ありますが1940年代後半頃からホールマークとして作品に刻印されるようになったようです。1950年代以降になってからは『NAVAJO』の文字や、銀含有率92.5%の地金であることを示す『STERLING』の刻印が追加されていきます。

ナバホギルドの代表を務めたAmbrose Roanhorseは、後進の育成にも熱心な作家で1930年代からサンタフェのインディアンスクールで彫金クラスを受け持っており、多くの教え子を持っていました。その卒業生の中で特に優秀な生徒をナバホギルドに所属させていたようです。古い年代の伝統技術を重んじた作品を多く残し、独特の造形美や完成された技術は次世代に絶大な影響を与えた人物です。

また、【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)ナバホギルドのピースは、アメリカ国内では非常に高い知名度を誇っていますが、それに比例せず、現存数がとても少ないことも特徴です。 コレクターのもとには一定数があると思われますが市場に出る個体は少なく、現在発見するのが大変困難になっています。


【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイは、1913年(又は1914年)に生まれ、ナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】 フレッド・ぺシュラカイや、ナバホギルドの代表を務めた【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホースからその技術を学び、突出して成熟した技術をもった作家です。
インディアンジュエリーを次のステージに引き上げたKenneth Begayは、『ナバホモダンジュエリーの父』とも呼ばれ、ホピの巨匠【Charles Loloma】チャールズ・ロロマ(1921-1991)も尊敬する作家としてその名前を挙げるほどです。
また、後進の育成にも積極的に携わっており、Allen Keeや弟であるJohnnie Mike Begay等の親族以外にも多くのシルバースミスを育成したインディアンジュエリー界の偉人の一人です。


【Ingot Silver】インゴットシルバー(銀塊)からの成形は、アンティークインディアンジュエリーにおいて非常に重要なファクターですが、銀含有率/品位などの素材とは関係なく、ジュエリーの製法技術を表します。
現在制作されている作品の多くは、材料として市販されているシルバープレート(銀板/ゲージ)を加工することでジュエリーとして成形されていますが、インゴットから成形する製法では一度溶かしたシルバーを、鍛冶仕事に近い方法であるハンマーやローラーで圧力をかけて伸ばすことでジュエリーとして成形していきます。最終的にはどちらもプレートやワイヤーの形態になるため、大きな差は無いように思われますが、インゴットから成形されたシルバーの肌は、硬くなめらかで鈍い光を持っています。それにより生み出されるプリミティブで武骨な作品の表情は、やはりアンティークインディアンジュエリーの大きな魅力です。
また、1930年代にはシルバープレートが登場しますが、当時シルバープレートを用いて制作されたジュエリーは政府によりインディアンクラフトとして認定されず、グランドキャニオンなどの国立公園内で販売できなくなった記録も残っています。


本作もインゴットシルバーから成形されることで、それほど厚い地金ではありませんが<40g>近いずっしりとした重量を持ち、硬く滑らかなシルバーの肌と独特の上質感を備えています。
古典期の造形技術やデザインを踏襲しながらも、クリーンで洗練された印象を有し、ビンテージインディアンジュエリー特有の素朴で武骨な質感の中に、どこかエレガントな魅力も放つハイエンドなブレスレットです。

工芸品として練り上げられたミニマムで無駄のないデザインと、グラフィカルなスタンプワークの構成は奥行きのある表情を生み出しており、独自性と普遍的な造形美を兼ね備えたブレスレット。高い汎用性を示し、多くのスタイルに良く馴染む為、とても長くご愛用いただけると思われます。

こちらの様なアンティークジュエリーは、その希少性や歴史的な背景により、類似作品の多くがミュージアム収蔵品となっている非常にコレクタブルな作品の一つです。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションも良好です。僅かなクスミや小キズ、ハンドメイド作品特有の制作上のムラ等は見られますが、ダメージやリペアの跡の無い良い状態を保っています。
PRICE:
159,500 円(税込)
SIZE:
メンズサイズ L - XL 程度

内径最大幅 約61.9㎜    正面幅(高さ) 約20.3㎜
内周 約144㎜    開口部 約28.5㎜
Inside Measurement 5 11/16inch   opening 1 1/8 inch 

※バングルはサイズ調整可能です。MLサイズ以上、XXLサイズ以下の男性であればほとんどの方にフィットすると思います。 ただし、サイズ調整の際は無理な力を加えますと破損の原因となることがありますのでご注意ください。

サイズ(手首寸法)をお伝えいただければ、当店でお渡し前の調整が可能です。お気軽にお申し付けくださいませ。
MATERIAL:
Ingot Silver
        約39.4g
ORDER:
QUANTITY
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