【NAVAJO】ナバホ、又は【PUEBLO】プエブロのビンテージジュエリー、細かな文様が刻まれたハーフラウンドワイヤーを、4連に重ねて構成したアンティーク/ビンテージバングル。武骨でインディアンジュエリーらしい趣と、ミニマムで洗練された普遍的なデザインの良さを兼ね備えた作品です。
使用されているスタンプ(鏨)が非常に素朴なため、正確な制作年代の特定が困難なピースとなっていますが、造形スタイルや構造的なディテールからは、1940年代~1960年代に作られたと推測されます。
バンドを構成する4本のワイヤーは、おそらく既製のハーフラウンドワイヤーではなく、インゴットシルバー(銀塊)からローラーによって細いハーフラウンドワイヤーへ成形されています。そこに、非常に細かなスタンプワークが施されることで、インディアンジュエリーらしい複雑な表情が与えらえており、小さな円弧を刻むベイナースタンプを連続して作り出している菱形/ダイヤ型の文様は、ラトルスネーク/ガラガラ蛇をモチーフにしていると考えられます。
そして、それら4本のワイヤーはターミナル(両端)に備えられた小さなシルバータブによりつなぎ合わされており、アンティーク作品らしい丁寧なシルバーワークによって仕上げられています。また、4連の内の3本は、それぞれの間がロウ付けされていますが、一ヶ所には少しの隙間が設けてあります。制作上のムラ/ミスによるディテールと思われますが、それも良いバランスと心地よい装着感に寄与しているようです。
また本作は、ナバホジュエリーのオーセンティックな造形スタイルとなっていますが、ラトルスネーク/ガラガラ蛇というモチーフやシンプルでクリーンに仕上げたデザインからは、アコマやサントドミンゴ等のプエブロインディアンによる作品である可能性も残る作品となっています。
【Rattlesnake】ガラガラヘビ/ラトルスネークは、インディアンにとって神聖な存在として、特にプエブロインディアンの間で古くからジュエリーやポッテリー等、色々な作品に用いられました。ジュエリーにおいてはナバホの偉大な作家【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)やアコマの伝説的な作家【Clyde Hunt/Chief Sunny Skies】クライド・ハント(1900-1972)等が素晴らしいスネークモチーフの作品を残しており、それらのデザイン・スタイルが後世に受け継がれています。
当店のロゴにも登場するモチーフであり、脱皮して成長していく姿から、<挑戦><革命><知恵> 等を象徴するシンボルとされています。
こちらの作品は、具体的にラトルスネークと判断できるデザインではありませんが、高度に意匠化される事により、現代的で構築的な印象も与えるブレスレットとなっています。
それは、シンプルで洗練された印象を有しながら、ハンドメイドのワイルドで素朴な表情という相反する要素を併せ持つという事であり、派手さはありませんが多くのスタイルにフィットする汎用性と、普遍的な造形美を有するブレスレットです。
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コンディションは、シルバーのクスミやハンドメイドによる造形特有の制作上のムラが見られますが、目立ったダメージはなく良好です。