【ZUNI】ズニのビンテージジュエリー、ニードルポイントと呼ばれるズニの伝統的な造形技術で作られた作品。とても小さくカットされたターコイズと緻密なシルバーワークにより、繊細で美しい表情を見せるフェイスが特徴的なビンテージリングです。

ズニ族は、ファミリー単位でジュエリーを制作し伝統技術やデザイン/造形を代々継承している為、制作された時期を判断するのが困難ですが、本作の場合には、シャンクやベゼル(覆輪)等、シルバーワークのディテールによって1950年代後半～1960年代頃に作られた作品と推測されます。
フロント部分が2本に割り開かれたしっかりとした造形のスプリットシャンクをベースに、縦に長く造形されたフェイスが印象的な作品です。そのフェイスにはニードルポイントと呼ばれる小さくアイシェイプ状にカットされたターコイズが7つ並べられ、それぞれがワイヤーワークによって縁取られた枠の中央にセットされています。それらのシルバーワイヤーがシャドーボックスに近い陰影を生み出しており、作品に奥行きを与えターコイズを強調する効果をもたらしているようです。また、とても小さなターコイズですが立体的な高さがあるため、強いコントラストを生み出しています。また、それらのワイヤーワークに合わせ、エッジ部分には小さなシルバーボールが施されており、インディアンジュエリーらしくも可愛い印象に仕上げられています。
このような繊細な仕事は、ズニらしいシルバーワークとなっています。ナバホジュエリーとは違った印象を持っていますが、伝統的なインディアンジュエリーらしい表情も感じられる造形/デザインの作品です。

セットされたターコイズは、鉱山などは不明ですがビンテージ作品特有の複雑で味わい深い表情を持った石です。無添加・無加工の為、天然石特有の変色が見られますが、ある程度高さのあるカットの美しいターコイズです。長い経年により一部かグリーン等に変化しており、色相に差のあるマルチカラーとなっていますが、それがアンティークインディアンジュエリー独特のナチュラルな質感とアーシーな魅力を生み出しているようにも感じられます。


【Shadowbox】シャドーボックスは、30年代の後半に確立された技法で、60年代～70年代に多く見られた造形です。主にターコイズの外側に空洞を作ることによって深い黒が現れるのが特徴で、それによりターコイズの美しい色や輝きをより際立たせる技法です。巨匠【Kenneth Begay】ケネス・ビゲイ(1913?-1977)も好んだ技法/スタイルの一つであり、現代まで受け継がれています。


繊細なシルバーワークで構成されたフェイスは、ズニジュエリーらしい静かで落ち着いた印象を持っていますが、縦方向に配置されたターコイズによって華やかで楽しい雰囲気も感じさせるリングに仕上がっています。
また、ビンテージインディアンジュエリー特有の味わい深い表情と、ズニの作品独特の繊細な雰囲気は、女性に向いた可愛い印象のリングです。スタイルのアクセントとして単体でも色々なコーディネートに馴染み、こちらのようなズニのジュエリーは沢山のピースを同時に付けても楽しいアイテムです。

ズニジュエリーにおいては、オーセンティックなディテールで構成されたリングの一つですが、日本においては新鮮で新しい印象を受けるデザインの作品です。

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コンディションはシルバーのクスミやハンドメイド作品特有の制作上のムラなどが見られますが特にダメージなどは見られず良好な状態です。
ターコイズも変色が見られ、マトリックス部分に天然石が元々持っている凹凸等が見られますが、石の動きやクラック等のダメージはありません。