【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、ナバホのオーセンティックで伝統的な技術を駆使した細部まで手の込んだシルバーワークをベースに、美しいオレンジ×ブラックの【Petrified Wood】ペトリファイドウッド(木の化石)がセットされたビンテージ/アンティークピンブローチです。
裏面に『BONNIE KAY FOR LOYALTY TO WHEELS A - ROLLING 1949』の文字が刻まれており、1949年かその少し前に制作された作品であることが判断可能です。「BONNIE KAY」は人名で「WHEELS A - ROLLING」はチームや組織名ではないかと推測され、所属する組織への忠誠を誓う目的で刻まれた文字かと思われます。
インゴットシルバー(銀塊)から成形されたオーセンティックなオーバルシェイプをベースとした作品。そこに、艶がありダルトーンながら強さのあるペトリファイドウッドがマウントされ、そのベゼル(覆輪)にはツイステッドワイヤーが施されています。また、全体にプリミティブで力強いスタンプワークが刻まれることによって奥行きとナバホジュエリーらしい武骨でワイルドな表情を持った作品に仕上げられています。また、それらのスタンプワークが描き出す紋様に呼応するように、エッジにはファイルワーク(ヤスリで削る技術)が施されており、それらが作品に動きと立体感を与えており、とても効果的なディテールとなっているようです。
粗暴な部分も見られる作品ながら、細部まで手の込んだシルバーワークによって構成されたハンドメイドの味わいを有する作品です。
【Petrified Wood】ペトリファイドウッドは、日本語では『珪化木』と言う<木>が化石化したものです。 これらの化石はインディアン居留地であるアリゾナ北部～ニューメキシコ西部の砂漠地帯から多く産出され、古くからジュエリーに用いられています。
おおよそ2億5000万年前の木々が地中に埋もれ、地下水のケイ素成分が浸透し樹木の組織が残ったまま化石化したものです。 木が持っていた組織の違いによって多くのバリエーションが存在し、ブラウンをベースにオレンジやグレーのものが多く見られますが、レインボーカラーと呼ばれるマルチカラーのものや、こちらの様に強いブラックとオレンジの調和が美しい石も見られます。 また、その表情が異星の景色のように見えることから、【Agate】アゲート等を含め、総称として『ピクチャーストーン』『シニックストーン』と呼ばれることもあります。
インディアンジュエリーの歴史においては、コーラルやスパイニーオイスター、ラピスラズリなどと共にターコイズに次いで用いられることの多い石であり、特に第二次世界大戦中にはターコイズを採掘する鉱夫の人出が不足したため、ターコイズに代わって多く用いられました。
こちらの作品にセットされたペトリファイドウッドもインディアン居留地に近い場所で産出したものと思われ、アリゾナやニューメキシコ産らしい強く深いブラックと美しいオレンジで構成され、マーブルや森の景色の様な表情を持ち抽象画を思わせる模様が形成されています。こちらの様に強い色のコントラストを持つ石は比較的珍しく、レインボーカラーと呼ばれる複数の色を見せる石と共に上質なペトリファイドウッドとされています。
ターコイズとは異なる独特な存在感と他に類を見ない新鮮な印象を生み出すペトリファイドウッドを用いた作品は、古くから使われる素材でありながらあまり紹介されておらず、ビンテージインディアンジュエリーの新しい側面とも感じられる為、当店では注力してご紹介しています。
伝統的なディテールで構成されたシルバーワークは、オーセンティックなナバホジュエリーの武骨な表情を持っていますが、細部には独自性も感じさせるピース。さらに、シックで神秘的な美しさを見せるペトリファイドウッドとの組み合わせによってラフでありながらエレガント、粗暴でいて繊細な二面性を秘めています。
また、有機物を起源とするナチュラルな石の表情は、性別やスタイルを問わず多くのアイテムに馴染み、効果的なアクセントとなってくれる作品です。その落ち着いた色彩や他に類を見ない表情により、季節を問わずカジュアルなスタイルからモードなコーディネイトにまでフィットします。ラペルや胸元、ハット等のワンポイント等にも使い勝手の良いピースです。
裏側に刻まれた文字により制作された正確な年代が特定可能であり、高い史料価値も持ったピース。シルバーワークや石の質等を含め、コレクタブルな作品となっています。
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コンディションは、シルバーのクスミやハンドメイド特有の制作上のムラ等は見られますが、使用感を感じないとても良好な状態を保っています。
ペトリファイドウッドもハイグロスを保ち、非常に良好なコンディションを保っています。
