【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、【Agate】アゲート(瑪瑙)の中でも特に上質で美しいことで知られる、メキシコ北部産の【Laguna Agate】(ラグーナ・アゲート)と思われる豊かな表情と色彩が特徴的な石がマウントされたアンティーク/ビンテージバングルです。

1950年代後半～1960年代頃に作られたと思われる作品で、バンドの造形スタイルは、一見サンドキャストによる一体成型のように見えますが、実際には小さな各パーツをそれぞれに造形し、丁寧につなぎ合わせることで形作られています。また、それらのバンドを構成するパーツは全てトライアングル型の断面に造形されていることで、繊細なバンドの様でしっかりと強度と重厚感のあるブレスレットに仕上げられています。部分的に左右が非対称になっており、作為的なディテールか制作上のムラによるものか不明ですが、ナチュラルな表情の石と相性の良いハンドメイドらしいディテールとなっています。
センターには、バンドと同様のトライアングルワイヤーによるオーバル型の土台が築かれており、そこに美しいアゲートがマウントされています。そして、そのベゼル(覆輪)には、小さなシルバードロップ(シルバーボール)の連続したワイヤーがあしらわれ、ナバホジュエリー特有の奥行きや複雑な味わいが付加されているようです。バンドのシルバーワークが肌への接地面が少なく設計されているため、エレガントで品位を感じさせながら心地よい着用感も実現しています。


【Agate】アゲートは、日本語では『瑪瑙/メノウ』と呼ばれ、石英(クウォーツ)の結晶が集まって形成された石で、鉱物学的な分類名であはありません。カルセドニーや水晶、オニキス、ジャスパーと同種であり、それらの中でも美しい色彩と縞模様などを持った貴石をAgate/アゲートと呼称しています。透明感と硬さがあり、美しい縞模様や多彩な色彩の特徴的な石です。
また、その表情が景色を映したように見える個体が多いために、【Petrified Wood】ペトリファイドウッド(珪化木)等と共に、総称として『ピクチャーストーン』『シニックストーン』と呼ばれることもあります。インディアンジュエリーの歴史においては、コーラルやスパイニーオイスター、ラピスラズリなどと共にターコイズに次いで用いられることの多い石です。第二次世界大戦中にはターコイズを採掘する鉱夫の人出が不足したため、ターコイズに代わって用いられ、1970年代後半以降には、インディアンジュエリーの流行やナチュラル無添加で使用できるターコイズの枯渇、さらに極彩色に染めることが可能なアゲートの人気により多用されるようになりました。本作はそのような流行以前に作られた作品であり、ダイド(染められた)石ではなく産出したままのナチュラル無添加なアゲートです。

また本作にマウントされたアゲート/Agateは、その美しい色彩や縞模様等の特徴から、【Laguna Agate】ラグーナ・アゲートと呼ばれる、メキシコ チワワ州で産出する上質なアゲートと推測されます。強い透明感と複雑で細かな縞模様が入り、ポップアートや抽象画、異星の景色の様な神秘的で楽しい文様が構成された美しい石となっています。

ターコイズとは違った独特な存在感と他に類を見ない新鮮な印象を生み出し、古くから使われる素材でありながらビンテージインディアンジュエリーの新しい側面とも感じられ、ペトリファイドウッドと共に当店では注力してご紹介しています。


こちらの作品は、女性に向いた上品でモダンな印象を持っていますが、ビンテージインディアンジュエリー独特の武骨でアーティな質感もあり、スタイルや季節を問わず多くスタイルにフィットします。

アゲート特有の深淵な景色とシンプルなシルバーワークは、現在の日本において多く紹介されているインディアンジュエリーとは違ったフィーリングを与えてくれるアイテムです。特に本作は、華奢な印象でありながら質実剛健なシルバーワークと、質の高いアゲート/瑪瑙による上質感を有しコレクタブルでトレジャーハントプライスな作品となっています。

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コンディションも良好で、ハンドメイド特有の制作上のムラやシルバーに多少のクスミは見られますが、使用感は少なく石を含めとても良い状態を保っています。