【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、サンドキャスト(砂型鋳物)で成形されたバンド(地金)にラウンドカットターコイズがセットされ、ミッドセンチュリーモダンな印象を持つデザイン/造形の作品。曲線で構成された柔らかな表情を持ち、女性にも向いたサイズ感のアンティーク/ビンテージバングルです。

サンドキャスト及びトゥーファキャストによるシルバーの成形は、ナバホジュエリーでも古典期と呼ばれる創成期からみられる技術の一つであり、長い歴史を持っています。そして、その当時から完成された技術/技法は現在に至るまで大きな変化なく受け継がれており、キャスト製法以外で作られた作品に比べて制作年代の判断が困難です。
こちらの作品の場合は、造形スタイルやターコイズの質、そしてバンドのシェイプデザインも量産向けにパターン化された『型』ではなく、作者のオリジナリティーを感じさせる作品であり、1950年代後半～1960年代頃に制作された作品であることが推測されます。しかし、可能性としては1950年代初頭～1970年代前半頃まで考えられます。

1980年以降に多く作られたサンドキャスト作品に比べ、厚くエッジのしっかりとした造形のバンドをベースとしており、そのバンドの交差したポイント8か所に、それぞれに美しいターコイズがマウントされています。また、こちらの様な小さなラウンドカットターコイズは、蛇の目に似た造形の為『スネークアイ』とも呼ばれています。
作者の独創性を感じさせるデザイン/造形は、現代的な印象も受けますが、インディアンジュエリー古典期から見られる伝統的な造形を踏襲しており、本作が作られたミッドセンチュリー期の時代背景を反映したモダンで洗練された造形美が与えられているようです。

セットされたターコイズは、小さいカットながら澄んだ水色にブラウンなどのマトリックスが入る【Godber/Burnham】カドバー/バーナムターコイズと思われます。銅鉱山の石は、アルミニウムが多く含まれることで透明感のあるミルキーブルーになるとされており、こちらの石はそれらの特徴を備えた石だと思います。
タイトなスパイダーウェブが入る石ではありませんが、本作にとても良くフィットし、作品の完成度を高める役割を担う無添加ナチュラルのターコイズです。


丁寧に仕上げられた重厚な造りのシルバーワークに美しいターコイズが上質感を付加しています。またそれが、伝統工芸品として制作されたシルバージュエリーをウェアラブルアートとしても評価できる作品へと昇華しているようです。
また、存在感のあるボリューム感を持ったバングルですが、肌が透ける”抜け”のデザインが多く採用されている為、ナチュラルに馴染みやすい表情を持ちます。洗練された造形美は日常のスタイルにもドレスにも素晴らしい存在感を示し、アクセントになってくれる作品です。

伝統的なナバホの技術を踏襲しながらもモダンで突出した造形センスを感じさせるバングル。探しても見つからない個性を持つキラーピースであり、トレジャーハントプライスなピースの一つです。

◆着用サンプル画像(10枚)はこちら◆


コンディションは、シルバーの肌の一部にキャスト成形特有の凹凸が残る部分が見られ、僅かなクスミや摩耗等が見られますが、全体に良い状態を保っています。
また、ターコイズには画像のように天然石が元々持っている母岩部分の凹凸や僅かなクラックがありますが、ガタつき等はなく着用に不安のないコンディションとなっています。