【NAVAJO】ナバホか【ZUNI】ズニのオールド作品で、独特なアイロンクロスシェイプに『チップインレイ』と呼ばれる破砕した石を樹脂と共にインレイすることで構成したビンテージネックレスです。
チップインレイ技法は、破砕タイルの様に細かく砕いたターコイズ等のチップ/欠片を樹脂を使ってシルバーにピッタリとはめ込む象嵌細工に属する技術です。インディアンジュエリーにおいては、1930年代以前のからみられるもので、古くはサントドミンゴのバッテリーバードネックレスなどに用いられています。破砕タイルのように細かくランダムに破砕された石がはめ込まれることにより、複雑で奥行きのある表情を作り上げています。
ただし、ナバホやズニのシルバースミスが取り入れるようになったのは、そのほとんどが1970年代以降であり、本作も1970年代後半~1980年代頃に作られた作品と思われます。また、そのように大部分が新しい作品で見られる技法の為、当店では多く扱っていませんが現在では伝統的な技術として定着しています。
ハンドメイドで作り上げられたシルバーのクロスは、十字の先をやや広げた「アイアンクロス」のシェイプに仕上げられており、スタンプワークによってライン模様が刻まれています。さらに、巧みなハンマーワークによってクロス全体に柔らかなアールがつけられ、ドーム状の曲面に仕上げられています。そのさり気なくも効果的な曲面によって独特な存在感が与えられているようです。そのようなシルバーワークをベースに、ターコイズやスパイニーオイスターの欠片がチップインレイされており、独特の奥行きのあるカラーと表情が生み出されています。
付属のシルバーチェーンは新しいものですが、重厚な925シルバー製で、独自にアンティーク加工を施しており、ビンテージ作品によく馴染む表情になっております。
またこちらのようなクロスモチーフは、インディアンジュエリーのトラディショナルなスタイルの一つとして古くから作られているモチーフの一つです。 キリスト教の普及と同時に、インディアンジュエリー創生期からみられるもので、ズニの巨匠【Horace Iule】ホレス・イウレ(1899~1901?-1978)等のクロスモチーフで有名になった作家も存在しました。
程よいサイズ感のクロスシェイプにターコイズとスパイニーオイスターのナチュラルなカラーが与えられることで、多くのスタイリングに馴染みやすく、性別を問わず使いやすいネックレスとなっています。
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コンディションはシルバーに多少のクスミやハンドメイド作品特有の制作時のムラなどが見られますが、ダメージのないとても良好なコンディションを保っています。