ITEM CODE:
JPF004429

【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930

【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
36,300 円(税込)
36,300 円(税込)
【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
  • 【Ganscraft】 Antique Thunderbird Shape Slug Silver Pin c.1930
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された作品。秀逸な造形センスやスタンプワークのクオリティ等、オーセンティックなアイテムながらシルバーワークの素晴らしいサンダーバードシェイプのアンティーク/ビンテージピンブローチです。

裏面にある『S』の刻印により、【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】サウスウエスト アーツアンドクラフト社による作品であることが分かり、刻印の『S』は、【Slug Silver】(小さな銀塊)=インゴットコインシルバーであることを表しています。そして、SOUTHWEST ARTS&CRAFTS社で制作されたピースであることから、全てがハンドメイドで仕上げられ、後に【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる【Arrow Novelty】や【BELL】、【Maisel's】等で量産されたピースのデザインソースになった作品であると推測されます。

インゴットシルバー(銀塊)から成形されたベースは、ランバス/菱形を基調としたサンダーバードのシェイプにカッティングされ、細かなスタンプワークを刻むことによってサンダーバードの顔等、細部が描き出されています。さらに、翼には巧なハンマーワークによって僅かながら柔らかいドーム状の曲面が与えられています。このようなディテールは、丸太やレッド(鉛)の塊に彫り込んだ窪みにシルバーを叩き添わせることにより、アール/曲面が生み出されています。これによって立体的な印象を与え、フラットなシェイプよりも美しく上質感のある造形を作り上げています。
キャッチーな印象を持つサンダーバードモチーフですが、インゴット(銀塊)から成形された地金や武骨なスタンプワークなど、ナバホの伝統的な技術やハンドメイドの味わいが感じられるピースです。


【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】(以下SWAC)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業し、その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。 雇われていたアーティストは、非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多いのも特徴と言えます。 それは、【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、非常に優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。
そのため、当時からSWACの作品は大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。 しかし、その歴史は平坦でなかったようです。

SWACでは、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれるBELLやMaisel's等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。
そこで、復権のために導入されたのが本作の様に『S』の刻印を持つ【Slug Silver】です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。

現在、【Fred Harvey Style】は明確な定義がなく、Fred Harvey Companyもレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。 そのため、こちらのSWACやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニアビジネス」・「ツーリストジュエリー」と言う意味では量産化した工房のBELLやMaisel'sと同様です。
ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやBELL、Maisel's、Silver Arrowの分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドによりすべて手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの作品群(マスプロ)とは一線を画しています。

また、もう一つのSWACの特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。そのため、SWACが供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。

さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。

多い時には20名以上の職人を雇っていたようですので、その作家を特定することはできませんが、後の有名作家の手による作品の可能性を大いに持ったピースです。

また、『S』の刻印が入る作品は希少です。1946年以降にはUITA21の刻印によりSWACのピースと判別できる個体が残りますが、ほとんどの作品にはホールマークなどが入っておらす、現存する中で、SWACと判別できる作品は希少です。


モチーフの【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。
ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。


こちらの作品も、サンダーバードのキャッチーでアイコニックなデザインですが、チープな印象を持たずアンティーク独特の重厚な雰囲気も感じさせる作品です。
また、ナチュラルで奥行きのある佇まいやターコイズが付かないシルバーのみの質感は、性別やスタイルを問わず馴染みやすく、アウターのアクセントととしてラペルや襟等にもフィットしますし、ハット等のワンポイントにも使い勝手の良いピースです。

インディアンジュエリー史の中でも重要な役割を担っていた【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】で制作された作品であるという明確な背景を確認することができるインディアンジュエリーの歴史においても重要なピースの一つであり、その時代の作品群の歴史を紐解く上でも史料価値の高いコレクタブルな作品です。

◆着用サンプル画像(7枚)はこちら◆


コンディションもシルバーの僅かなクスミが見られる程度で使用感は感じられず、大変良好な状態です。
【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、当時サンタフェに在った【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】で制作された作品。秀逸な造形センスやスタンプワークのクオリティ等、オーセンティックなアイテムながらシルバーワークの素晴らしいサンダーバードシェイプのアンティーク/ビンテージピンブローチです。

裏面にある『S』の刻印により、【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】=【Ganscraft】サウスウエスト アーツアンドクラフト社による作品であることが分かり、刻印の『S』は、【Slug Silver】(小さな銀塊)=インゴットコインシルバーであることを表しています。そして、SOUTHWEST ARTS&CRAFTS社で制作されたピースであることから、全てがハンドメイドで仕上げられ、後に【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルと呼ばれる【Arrow Novelty】や【BELL】、【Maisel's】等で量産されたピースのデザインソースになった作品であると推測されます。

インゴットシルバー(銀塊)から成形されたベースは、ランバス/菱形を基調としたサンダーバードのシェイプにカッティングされ、細かなスタンプワークを刻むことによってサンダーバードの顔等、細部が描き出されています。さらに、翼には巧なハンマーワークによって僅かながら柔らかいドーム状の曲面が与えられています。このようなディテールは、丸太やレッド(鉛)の塊に彫り込んだ窪みにシルバーを叩き添わせることにより、アール/曲面が生み出されています。これによって立体的な印象を与え、フラットなシェイプよりも美しく上質感のある造形を作り上げています。
キャッチーな印象を持つサンダーバードモチーフですが、インゴット(銀塊)から成形された地金や武骨なスタンプワークなど、ナバホの伝統的な技術やハンドメイドの味わいが感じられるピースです。


【Julius Gan's Southwestern Arts and Crafts】(以下SWAC)は、もともとは法律家だった【JULIUS GANS 】ユリウス・ガンズによって1915年、サンタフェプラザに小さなインディアンアート/アンティークショップとして創業し、その後、サンタフェでも最大級の店に成長していきます。1927年ごろからは独自にナバホ・プエブロのインディアンシルバースミスを雇い入れ、店頭にてその作業を見せるスタイルで運営されていました。 雇われていたアーティストは、非常に豪華で、その後有名作家として名を馳せる人物が多いのも特徴と言えます。 それは、【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース、【David Taliman】デビッド・タリマン、【Mark Chee】マーク・チー、そして【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナ等、非常に優秀で後世にも多大な影響を与えた作家たちが所属していました。
そのため、当時からSWACの作品は大変評価が高くトラディッショナルなスタイルを守りながらも独自性のある作品も多く作られました。 しかし、その歴史は平坦でなかったようです。

SWACでは、現在フレッド・ハービースタイルと呼ばれるBELLやMaisel's等のメーカーとは異なり、一人の作家がすべての工程を担い、材料の加工から仕上げまでを行っていましたが、いち早くシルバーシート/ゲージ(銀板)材料の導入を行いました。そのため、政府(米国公正取引委員会)の介入を受けることになり、Maisel's等と同様に扱われることになってしまいます。そして、1930年代中ごろには国立公園内等での販売が出来なくなってしまいました。
そこで、復権のために導入されたのが本作の様に『S』の刻印を持つ【Slug Silver】です。 Slug Silverは、それまでのインゴットに比べると小さなコインシルバーの塊で、大きく扱いにくいインゴットよりも効率がよく、制作しやすかったようです。前述の【Joe H. Quintana】ジョー・キンタナもSWCA在籍時にはこの『S』の刻印を使用していたと証言しています。

現在、【Fred Harvey Style】は明確な定義がなく、Fred Harvey Companyもレストランやホテル等の観光施設経営でだけでなく、もともとはインディアンアートトレーダーとしての側面を持っていました。 そのため、こちらのSWACやSeligman's、GARDEN OF THE GODS TRADING POST等も旅行者に向けた「スーベニアビジネス」・「ツーリストジュエリー」と言う意味では量産化した工房のBELLやMaisel'sと同様です。
ただし、現代において多くのフレッド・ハービースタイルと呼ばれる作品の多くが、Arrow NoveltyやBELL、Maisel's、Silver Arrowの分業化や量産化を推し進めたメーカーのピースであることを踏まえると、こちらの様に全行程を一人の作家が担当し、ベンチメイドによりすべて手作業で仕上げられている作品はフレッド・ハービースタイルの作品群(マスプロ)とは一線を画しています。

また、もう一つのSWACの特徴としては半数以上の職人が在宅で仕事をし、定期的に作品を収めるスタイルをとっていたことです。そのため、SWACが供給する独特のコマーシャルスタンプ(量産化された鏨)も使用しながら、上質なターコイズや安定した質のコインシルバー(Slug Silver)も供給されたことで、それぞれがハイクオリティーで個性的な作品を残すことになったようです。

さらに、現代においてもチマヨ織物を用いたジャケット等で知名度を持つ【Ganscraft】ガンズクラフト社と同じカンパニーであり、パースと呼ばれるチマヨ織のポーチを最初に制作・販売した工房としても有名です。

多い時には20名以上の職人を雇っていたようですので、その作家を特定することはできませんが、後の有名作家の手による作品の可能性を大いに持ったピースです。

また、『S』の刻印が入る作品は希少です。1946年以降にはUITA21の刻印によりSWACのピースと判別できる個体が残りますが、ほとんどの作品にはホールマークなどが入っておらす、現存する中で、SWACと判別できる作品は希少です。


モチーフの【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。
ジュエリーでは『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。


こちらの作品も、サンダーバードのキャッチーでアイコニックなデザインですが、チープな印象を持たずアンティーク独特の重厚な雰囲気も感じさせる作品です。
また、ナチュラルで奥行きのある佇まいやターコイズが付かないシルバーのみの質感は、性別やスタイルを問わず馴染みやすく、アウターのアクセントととしてラペルや襟等にもフィットしますし、ハット等のワンポイントにも使い勝手の良いピースです。

インディアンジュエリー史の中でも重要な役割を担っていた【SOUTHWEST ARTS&CRAFTS】で制作された作品であるという明確な背景を確認することができるインディアンジュエリーの歴史においても重要なピースの一つであり、その時代の作品群の歴史を紐解く上でも史料価値の高いコレクタブルな作品です。

◆着用サンプル画像(7枚)はこちら◆


コンディションもシルバーの僅かなクスミが見られる程度で使用感は感じられず、大変良好な状態です。
Size

縦 約1.9㎝   横 約5.4㎝   

Material

Slug Silver(Ingot Coin Silver), Turquoise