【NAVAJO】ナバホのビンテージジュエリー、ツイステッドワイヤーと呼ばれる2本のシルバーワイヤーを撚り合わせたワイヤーを、力強いハンマーワークによってトライアングルシェイプ(竜骨型)に成形し、さらにそれらを2連に構成したアンティーク/ビンテージバングルです。
1940年代末~1960年代頃に制作された作品と思われ、インディアンジュエリーの中でも最初期からみられるスタイルの一つであるツイステッドワイヤーを、同じく伝統的なシェイプであるトライアングル(竜骨型)に仕上げた作品。 これは、一度ツイステッドワイヤーを制作してから木に彫り込んだトライアングルの溝や金型の溝にハンマーで叩き込むことで成形しており、シンプルながらハンドメイドのインディアンジュエリー独特の味わいと技術力を感じることのできる造形スタイルです。
こちらのようなハンマーワークと組み合わされたツイステッドワイヤーの造形は、それだけでも高い熟練度が必要で手間と時間もかかり、均一なクオリティーや仕上がりを保つことが技術的に難しい造形です。また、完成した作品は素朴で派手さのない印象もあって現代では高い技術を持ったベテラン作家の【Cippy CrazyHorse】シピー・クレイジーホースや【Ernie Lister】アーニー・リスター、【Tahe】タヘファミリー等、限られた作家しか用いることのない技術になってしまいました。
さらに、こちらの作品ではハンマーによってトライアングルシェイプになった上から力強いスタンプワークが施され、ナバホジュエリーらしい武骨さと奥行きのある表情が作られています。 また、それらが上下2連に造形されたバングルであり、2本のワイヤーのターミナルがハンマーワークによりでフラットに叩き鞣されながら繋ぎ合わされており、ビンテージ作品では比較的珍しい現代的なディテールとなっています。
このようなトライアングルシェイプのツイステッドワイヤーをバンドとした造形スタイルもナバホのシルバースミス【Ambrose Roanhorse】アンブローズ・ローアンホース(1904-1982)が代表を務め、1941年に発足した【The Navajo Arts & Crafts Guild】 (NACG)ナバホギルドにおいて制作されていたとされていますが、1930年代以前の作品にも見つかるスタイルであり、その正確な背景は不明となっています。
ナバホジュエリーの素朴で武骨な雰囲気と、伝統的な造形スタイルであるトライアングルシェイプによるエッジーな表情を併せ持ち、堅牢なシルバーワークや28gを超える心地よい重量感は、長年にわたってご愛用いただけると思われます。
また、こちらのようなツイステッドワイヤーで構成された作品は、造形の彫が深いため、日常的な着用により凹凸のコントラストが強くなり、その奥行きと完成度を高めていきます。
伝統的でプリミティブな製法で作り上げられたビンテージインディアンジュエリーでありながら、現代的で構築的な印象もあるコレクタブルな作品の一つです。
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コンディションは、シルバーのクスミやハンドメイドによる造形ですので、僅かな制作上のムラ等は見られますが、ダメージやリペア跡はなくとても良好です