【NAVAJO】ナバホのアンティークジュエリー、素朴ながら高度なシルバーワークによって造形された作品で、ワイルドで美しいローンマウンテンターコイズがセットされたアンティーク/ビンテージリングです。
1930年代末~1940年代頃に制作されたと思われる作品で、小さなサイズのリングですが、迫力のある立体的なシェイプとナバホ特有の素朴で武骨なシルバーワークによる造形はそれなりの存在感も感じさせます。
シャンクは伝統的な造形であるスプリットシャンクをベースにしており、サイドからベゼルを兼ねたアップリケ/パッチワークが施されています。こちらのようなデザインは、リングのシェイプと石を留めるベゼルとしての造形を高度に計算して施されたディテールであり、高度な技術と熟練度の必要なシルバーワークです。同様の技術は、W.Ben Huntの著書『INDIAN SILVER SMITHING』 (1959年出版)にも紹介されており、現在では60年代~70年代の高い技術を持った作家による作品が散見されますが、コンテンポラリー作品ではその難易度からあまり制作されなくなってしまったディテールの一つです。
さらに、アップリケにはビンテージインディアンジュエリーらしいスタンプワークが施されており、ターコイズの存在感と美しさを際立たせるシンプルなデザイン/造形となっています。
セットされたターコイズは、ワイルドな表情と美しい色彩を持ったコマーシャルグレード以上にグレーディングできるオールドローンマウンテンターコイズと思われます。ナンバーエイトターコイズやインディアンマウンテンターコイズでも似た特徴を持った石が散見されますが、透明感と複雑なブラウンのマトリックスは複雑でアーシーな表情を持ち、ローンマウンテンらしい色相と煌めきを持っています。長い時間を経て少しマットな質感になっていますが、現在も高い硬度を感じさせる透明感と濃いブルーを保つ無添加ナチュラルのターコイズです。
【Lone Mountain Turquoise】 ローンマウンテンターコイズは、ネバダ州のエスメラルダ郡にあり、北米4大ターコイズの一角です。長い歴史のある鉱山であり、1920年代後半から現在の『Lone Mountain』と言う名称になり、現在もわずかながら採掘されている鉱山です。
非常に硬度が高く、変色や劣化に強いターコイズとして知られ、採掘される原石はどんなに小さなものでもカットされ、そのほとんどがジュエリーに用いられました。 【Charles Loloma】チャールズ・ロロマや【Mark Chee】マーク・チー等も好んでジュエリーにしたターコイズです。
現在ではそのクオリティーと希少性からランダーブルーに次ぐ評価を受けるターコイズです。
立体的な造形によって控えめなボリューム以上に存在感があり、 アーシーで複雑な表情のターコイズとアンティーク作品の粗暴なシルバーワークによって生み出される武骨な雰囲気と独特の質感は、性別やスタイルを問わずナチュラルに馴染みやすい印象です。ビンテージスタイルにはもちろんですが、幅広い場面に対応可能であり、長くご愛用いただけると思われます。
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コンディションもアンティーク作品としては良好です。シルバーには多少の摩耗やクスミが見られますが、特に問題のあるダメージはありません。また、ターコイズも少しマットな質感になっており、一部に母岩の凹凸や僅かなクラックが見られますが、それらもターコイズの表情として大きく価値を損ねるキズではないと思います。