【NAVAJO】ナバホ/【PUEBLO】プエブロの職人が多く所属した、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルを代表する工房の一つである『Maisel's Indian Trading Post』製のピース。サンダーバードとアローヘッド等が施されたアンティーク/ビンテージリングです。

ナバホの伝統的なモチーフ、サンダーバードがメインになったフレッド・ハービースタイルや【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーと呼ばれる観光客向けに生産されたスーベニアアイテムらしいキャッチーな印象のリングで、1940年代末～1960年代頃の物ですが、同じデザインの作品が40年代以前から作られていました。

また、同時に掲載中の『BELL TRADING POST』製リング『JRF03532』と非常に類似したデザインであり、どちらかの工房がOEM等で製造を担当していた可能性が高く、時期は不明ながらマイセルズ社はベル社に対して出資していたともされており、競合するだけでなく協力していた事も推測されます。


それほど大きなボリューム感のリングではありませんが、クラシックなシガーバンド(葉巻に巻かれている帯のこと。現在は、ブランドが確認できるデザインが描かれているが、もともとは手袋や手に葉巻によるシミが付くことを防ぐ為に考案された帯)のシェイプに成形されたシャンクのフェイスにサンダーバードが施されており、センターには小さなターコイズがセットされています。さらに両サイドにはアローヘッドなどが配されており、ツーリストジュエリーらしいチープな表情とアンティーク独特の重厚感を併せ持ったピースとなっています。

また、内側には『STERLING』の文字と、Maisel'sのホールマーク(カチナ/精霊)が刻印されており、多数のインディアンジュエリーを生産・流通させたMaisel's Indian Trading Postで作られた個体と判断できます。


【Maisel's Indian Trading Post】マイセルズ インディアントレーディングポストは、1923年にMaurice Maiselにより創業された店で、当時の観光産業隆盛によるインディアン工芸品(土産物)ビジネスとして開業され、フレッド・ハービーホテルの向いに店舗を構えていました。 その後、1939年にはアルバカーキダウンタウンに移転し、現在でも同じロケーションで【Skip Maisel's Indian Jewelry】として営業しています。当時のピークには150人以上のインディアンの職人を雇い入れ、その作業を外から見える形で運営していました。そのスタイルは現在でも受け継がれ、【Will Vandever】等、腕の良いベテラン作家が今も作品を制作しています。さらに、ジュエリー以外のインディアンアートや工芸品、お土産物も多く遺しており、現在までビジネスを継続している数少ないトレーディングポスト兼工房です。


【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。
ジュエリーでは、『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。


ポップなデザインながらビンテージインディアンジュエリーの独特な風格もあり、色々なスタイルで使いやすいリングだと思われます。
また、アイコニックなサンダーバードの印象は、男性向けのアクセサリーには重要な要素である『ギャップ』と『遊び心』を与えてくれるアイテムであり、さり気なくスタイルに奥行きをもたらすことが出来るビンテージリングです。

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コンディションは、シルバーには全体にクスミや細かな傷等が見られますが、特にダメージはありません。使用感少なく良好な状態です。