【NAVAJO】ナバホか【PUEBLO】プエブロのアンティークジュエリー、ホースヘッドを二つ並べたクラシックでウエスタンな雰囲気を持った作品で、細かなスタンプワーク等で構成されたアンティーク/ビンテージピンブローチです。

1930年代～1950年代に制作された作品と思われ、【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリーや【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルとも呼ばれる、1900年代以降のサウスウエスト観光産業の隆盛に合わせて作られたアイテムの一つと思われますが、そんなスーベニアアイテムの中でも量産された作品ではなく、全ての工程を一人の職人が担当し、オールハンドメイドで丁寧に仕上げられています。また、アニマルモチーフによりキャッチーな雰囲気を持っていますが、スーベニアアイテム特有のチープな印象を持たない作品です。

別々に作られたホースヘッドのパーツを二つ並べてロウ付けすることで構成されています。また、それぞれに細かなスタンプワークが施される事によって細かな馬の表情などが描き出されており、ホーガンを表す伝統的なスタンプ(鏨)などが巧みに構成されてることで、とても優しい表情の馬に仕上げられています。また、全体に精巧なハンマーワークによって立体的にアール/曲面がつけられており、ハンドメイドによる奥行きを感じさせる柔らかなシルバーワークで構成されています。エッジの細やかなカッティング等もすべてハンドメイドで仕上げられており、素朴でシンプルなピースながら味わい深くどこか上質感のあるピンブローチです。


またこちらの様にHorse Heads/馬頭をモチーフに複数頭を並べて構成するデザインスタイルの発祥はおそらくヨーロッパで作られたアンティークジュエリーであり、ツーリストジュエリーで多く見られる素朴なアニマルモチーフの作品群に比べ、どこか洗練されたデザインの質の高さを感じさせます。そのような当時新しかった造形スタイルをインディアンジュエリーに取り込み、伝統的なスタイルの一つとしたのは、ナバホの【Fred Peshlakai】フレッド・ぺシュラカイ(1896-1974)、ホピの【Ralph Tawangyawma】ラルフ・タワンギャウマ(1894-1972)や【Morris Robinson】モリス・ロビンソン(1901-1984)、そして【Paul Saufkie】ポール・スフキー(1904-1998)らを擁し、新しいスタイルを持ったアニマルモチーフの作品を多く生み出した【VAUGHN'S INDIAN STORE】ヴァーンズインディアンストアや同じようにアニマルモチーフを得意としたトレーディングポストの【Seligman's】セリグマンズ、アリゾナ州フェニックスで多くのインディアンシルバースミスを抱えていた【Fred Wilson's Indian Trading Post】フレッド・ウィルソンズ インディアントレーディングポスト等が推測されます。
しかしながら、こちらの作品にはホールマーク(サイン)などが見られず、その作者や販売したトレーディングポスト等を特定することは出来ません。


【Horse】馬は旅を表し、人生や長い道のりを<導いてくれる物>を象徴します。


クラシックで落ち着いた印象を与えるデザイン構成と優し気な馬の表情は、とても渋く上質感を与えます。しかしながらビンテージインディアンジュエリーらしいプリミティブな製法やハンドメイドの味わい、シルバーの質感などは、インディアンジュエリー特有のラフでナチュラルな印象を生み出しており、素朴で独特の可愛さを持った作品となっています。

また程よいサイズ感や上品な質感は女性にとても良くフィットしますが、男性のスタイリングにも良く馴染み、程よい『ギャップ』と『遊び心』を与えてくれると思います。さらに、素朴でエスニシティーなアクセントとして使いやすいピースであり、カラーやラペル以外にもハット、バッグ等、多くのアイテムと合わせることがで可能です。

インディアンジュエリーにおいて古くからみられるホース/馬モチーフの作品ですが、こちらの様なホースヘッドで構成したアンティークのヨーロッパ製ジュエリーの影響を感じさせるピースは比較的珍しく、なかなか出会えないツーリストジュエリーの秀作です。

◆着用サンプル画像(6枚)はこちら◆


コンディションも良好です。シルバーにはクスミが見られますが、使用感少なくダメージも見られません。