【ZUNI】ズ二のオールドジュエリー、重厚なシールリング(印台型)タイプをベースに伝統的なチャンネルインレイ技法によってインディアンヘッドが描き出されたメンズサイズのビンテージリングです。
ホールマーク(作者のサイン)等がなく、正確な制作背景の特定は困難ですが、インレイされた素材やシルバーワークの仕上げなどから1970年代~1990年代に制作された作品と思われます。当店で扱うピースの中では比較的新しい年代の作品ですが、トラディショナルで丁寧な仕事によって仕上げられたリングであり、ビンテージインディアンジュエリーの味わいを持った作品です。
キャストで成形されたと推測されるシルバーは『シールリング』と呼ばれる印台型の造形で、ボリューム感と重量感があります。そこに、ジェットかオニキス、コーラル(珊瑚)、シェル(貝殻)そしてターコイズがピッタリと嵌め込まれることによってグラフィティカルな印象のウォーボンネット(頭の羽飾り)をつけたインディアンヘッドが描き出されています。重厚でワイドな造形をベースにしていますが、インレイのディテールも厚みのある造形で仕上げられており、綺麗なバランスを保ちながら強い存在感を持ったリングになっています。
ズニ独特の技法であるチャンネルインレイはカットしたターコイズやシェルなどをシルバーにピッタリと嵌め込む螺鈿細工のような技術です。 ナバホのシルバー技術に次ぐ長い伝統のある技術で、1920年代以降にはナバホのシルバースミスとの共作なども作られてます。現在ではインレイ技法で作られた多くのジュエリーがキャストによる量産品(石をはめ込むだけ)となってしまいましたが、こちらはすべてがハンドメイドでインレイされています。
こちらの様にカメオのようなスタイルのリングは、1920年代以前のツーリストジュエリー初期にも散見され、古くからある程度制作されていたようですが、同スタイルが多く制作されるようになったのは、1970年代後半以降になってキャストによる量産が進んだ時期以降です。
【War Bonnet/Headdress】ウォーボンネット/ヘッドドレスは、頭に着ける羽飾りのことで、スタンプ(鏨)のモチーフとしてはセレモニアルダンス/儀式でのダンスを表します。こちらの作品の様なインディアンチーフのモチーフではほとんどの作品において、象徴的にウォーボンネットを装着したインディアンヘッドが描かれています。
ズニの伝統的な技術によって制作された作品ですが、大胆でグラフィカルなデザイン構成によって現代的で秀逸な作品に仕上がっています。
また、ズニの作品らしいカラーの配色が美しく、ナバホやホピのジュエリーとの相性も素晴らしいピース。男性の手にも映えるボリューム感があり、パワフルでポップなスタイルでもナチュラルな装いにも良いアクセントになるリングです。
◆着用サンプル画像(7枚)はこちら◆
コンディションはシルバーに多少のクスミ等が見られますが、使用感の少ない良好な状態です。