【Tourist Jewelry】ツーリストジュエリー、【Fred Harvey Style】フレッド・ハービースタイルとも呼ばれる、当時アメリカ中西部の観光客向けに制作されたスーベニアアイテム(土産物)の一つで、可愛い印象のサンダーバードとアローモチーフのアップリケ/パッチワークが施されたタグがネックレストップにあしらわれたアンティーク/ビンテージネックレスです。
1930年代末頃~50年代頃に作られたピースと思われ、こちらのようなシルバープレートタイプのタグは、当時のサウスウエスト観光で荷物タグとして使われていたもので、現在はアクセサリーのパーツとして広く用いられています。
サンダーバードとアローが組み合わされたデザインのアップリケ/パッチワークがメインになっており、さらにプレート全体にスタンプワークが施され、アンティークながらフレッド・ハービースタイルらしいキャッチーな雰囲気を持っています。 タブ型のカッティングなど、一部の工程には機械が用いられていると思われ、マシン&ハンドメイドのハイブリッドなピースですが、現在では現存数の少ない貴重な物となっています。また、裏面には『STERLING』の刻印が刻まれており、スターリングシルバー(925シルバー)製であることがわかります。
付属のシルバーチェーンは新しいものですが、925シルバー製で独自にアンティーク加工を施しており、ビンテージ作品によく馴染む表情になっております。
『STERLING』等のシルバー製であることを表す刻印については、1930年代にはすでに使用され始めていたようですが、広くショップやトレーディングポストにおいて使用されるようになったのは戦後である1940年代末以降です。それは、第二次世界大戦中に銀の不足・価格高騰の影響もあったと推測され、1940年代に作られたツーリストジュエリーでも同刻印は散見されますが、1940年代末以降になって大部分の作品に施されるようになりました。『925』の表記と同じ意味(銀の純度92.5%)を持っていますが、925の刻印はインディアンジュエリーにおいて新しく採用された刻印であり、そのほとんどが1990年代以降の作品に刻印されています。
【Thunderbird】サンダーバード はインディアンジュエリーの伝統的なモチーフの一つで、伝説の怪鳥であり、雷や雲、ひいては雨とつながりが深く幸福を運んでくるラッキーシンボルでもあります。
ジュエリーでは、『限界の無い幸福』を表すシンボルであり、ネイティブアメリカンの守り神的存在です。
【Arrow】アローは、インディアンジュエリーにおける最古のモチーフの一つで、『お守り』の意味合いを持っています。
また、こちらのピースはツーリストジュエリーらしいアイコニックでキャッチーなモチーフで構成され、独特の可愛さを持っていますが、ビンテージインディアンジュエリー独特の武骨な味わいや『ドックタグ』のようなワイルドな存在感、さらにターコイズがセットされていないソリッドなシルバーにより、男性のスタイリングにも良く馴染む汎用性の高いアイテムだと思います。
さらにアイコニックなサンダーバードの印象は、男性向けのアクセサリーには重要な要素である『ギャップ』と『遊び心』を与えてくれるアイテムであり、さり気なくスタイルに奥行きをもたらすことが出来るビンテージネックレスです。
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コンディションも良好です。シルバーには僅かなクスミ等が見られますが、使用感の少ない良い状態を保った作品です。