【Kit Carson】キット・カーソンによるサボテンをモチーフにした作品で、こちらはインディアンジュエリーではなくアングロ(白人)作家によるピース。ナバホジュエリーの源流の一つであり、共通した技術やディテールを持ったウエスタンジュエリーに属するオールドピンブローチです。
裏面には、ホールマークと共に『1989』という刻印が刻まれていますが、1989年製ではなく、1990年代~2000年代に制作された作品と思われます。
シルバープレートを材料にしながらもハンマーワークによる曲面の成形や重なり合ったシルバーの造形、それに細かなスタンプワークとエングレイビングによってとても奥行きのある造形に仕上がったピンブローチです。
【Kit Carson】キット・カーソンは、サンタフェやロサンゼルスで展開されているシルバージュエリーやスカルプチャーのブランドで、現在も制作活動を継続されています。インディアンメイド/インディアンジュエリーではありませんが、ハンドメイドのウエスタンジュエリーを多く制作しており、それらはナバホ作品と類似した特徴を多く持った作品群です。
ウエスタンジュエリーとは、アメリカ中西部で制作される伝統的なスタイルの彫金作品全般のことを指し、古くはガンマンやインディアン、現在でもカウボーイ達が好むジュエリーやベルトバックル等が代表的です。古くからインディアンジュエリーとは相互に多くの影響を与えあっていますが、歴史としてはインディアンジュエリーよりも古く、レザークラフトの技術などを応用したハンドクラフト作品がメインになったアメリカンなジュエリースタイル/カルチャーです。
こちらの作品も丁寧な手作業によるシルバーワークで作られており、もちろん量産された製品ではありません。造形やディテールとしては、インディアンジュエリーと大きな差異はありませんが、サボテンというモチーフやどこか西洋的な軽やかさを感じさせるデザイン/造形が特徴的です。
ボリューム感のある作品ですが、キャッチーで上質な造形美を持ち、多くのスタイルに違和感なくフィットする作品です。また、ピンブローチは色々なアイテムに取り入れやすく、ストール等をホールドするピンやラペル、ハット・キャップのワンポイントなど、色々な使い方で効果的なアクセントになってくれると思います。
◆着用サンプル画像(4枚)はこちら◆
全体に多少のクスミはありますが良好なコンディションです。