【NAVAJO】ナバホのベテラン作家【Francis Jones】フランシス・ジョーンズ(1943-)の作品で、サンドキャスト(鋳物)で成形された控えめなサイズのナジャトップと、ビンテージベンチメイドビーズネックレスによって構成された作品。とても使いやすいサイズ感と洗練されたデザイン/造形を持つビンテージネックレスです。

現在も優秀なシルバースミスであり、アーティストとして活躍しているFrancis Jonesによるナジャトップは1970年代以降、おそらく1980年代～1990年代に制作されたもので、シルバービーズについては正確な制作年代の特定が困難ですが、ナジャトップよりも古い1940年代後半～1960年代に制作されたものと推測されます。どちらも素晴らしいクオリティーを持ちバランスの良い組み合わせですが、シルバービーズネックレスについてはFrancis Jonesによる作品ではない可能性が高いと思われます。

モダンで構築的な印象も感じさせるシェイプのナジャトップはサンドキャストで成形され、センターには小さいサイズながらとても上質で美しいターコイズがセットされています。細部まで丁寧な仕上げにより現代の作品以上に完成された質感を持っています。また、Naja/ナジャの造形/デザインはナバホの伝統的なものですが、円に近いシェイプやシルバーワークの完成度によって現代的でクリーンな印象を作り上げているようです。

シルバービーズもナバホの伝統的な技術によって製作されており、無骨で素晴らしいクオリティーのベンチメイド(ハンドメイド)ビーズです。現在では限られた作家しか作らないこちらのような完全なハンドメイドのビーズは、材料の加工からの全ての工程を手作業により作り上げられており、コンチョを作るような手法で半球体を制作し、それらを二つロウ付けすることでビーズに成形しています。そのため、その形状や大きさは不均一ですが、独特の味わいが感じられます。

ナジャトップのセンターにセットされたターコイズは、正確な鉱山は不明ながら濃く深い水色にブラック・ネイビー・ブラウン等のウェブが入る素晴らしいクオリティーのネバダ産ナチュラル無添加ターコイズがセットされています。【Godber】【Burnham】カドバー/バーナムや【Indian Mt.】インディアンマウンテンターコイズ等でも似た特徴を持った石が散見されますが、鉱山を特定することはできません。 小さな石ですが、美しい煌めきを持ったジェムグレードターコイズ。透明感とハイグロスを現在も保っており、高い硬度を感じさせるターコイズです。


【Francis Jones】フランシス・ジョーンズは、1943年ニューメキシコ州フォートウインゲート生まれの女性作家であり、父親である【Fred Begay】フレッド・ビゲイもシルバースミスとしてギャラップのショップに多くの作品を供給した偉大な作家。同作者が14か15歳の時にはすでに父親の手伝いとしてシルバースミスとしてのキャリアをスタートさせており、1950年代から現代にいたるまで作品を生み続ける大変なベテラン作家の一人です。
こちらの作品にみられる『FJ』のホールマークは1970年代から使用していたようで、現代においては、『Tracks style』や『Railroad Tracks』、『Edge Plate』とも呼ばれるシルバーを多層に構成したバングルやリングが有名ですが、こちらのナジャのようなキャストワークによる作品も多く制作しています。


【Naja】ナジャはもともと馬蹄をもとにしたデザインですが、インディアンアートにおいては子宮を表すモチーフとして用いられ、大地や自然と子孫繁栄、それに女性を称賛する意味合いが込められているそうです。


古い年代に作られたシルバービーズネックレスと1910年代以前の作品を思わせるシェイプでありながら現代的な印象を持ったナジャが組み合わされており、ビンテージインディアンジュエリー特有のプリミティブな質感や武骨さがありながら、モダンでクリーンな質感も併せ持ったナジャネックレスです。
また、比較的珍しい小ぶりなサイズ感とスカッシュパーツの付かない構成は、性別やスタイルを問わず馴染みやすく、個性とスペシャリティーを持つ『ナジャネックレス』でありながら、不思議に身に付けた時にはシンプルでナチュラルな印象を作ります。

ハイエンドなピースであり、同作者の歴史も感じることができるネックレス。ターコイズのクオリティーを含め唯一無二の魅力を持った大変コレクタブルな良作です。

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コンディションも古い作品ながら良好で、ビーズにはクスミや製造時のムラなどは見られますが、ダメージはありません。 また、ターコイズも良好な状態を保っています。